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アルツハイマー病の新規の病態を発見L-アルギニンとリモノイドの投与が、病気の進行を抑制する機構を解明

千葉工業大学
---アルツハイマー病の新しい治療薬成分として期待---

千葉工業大学(学長 松井孝典)(以下「千葉工大」という) 大学院先進工学研究科 生命科学専攻1)、先進工学部 教育センター2) 南澤麿優覽 准教授1, 2) を中心とする、大学院生 佐藤佑真さん1)、坂本泰一 教授1)、河合剛太 教授1)、谷合哲行 准教授2)、 株式会社i-on石黒栄太郎 氏らの研究グループは、理化学研究所脳神経科学研究センター神経老化制御研究チーム3)、名古屋市立大学大学院医学研究科・脳神経科学研究所4) 齊藤貴志 教授3,4)、西道隆臣シニアチームリーダー3) らが作製したヒトアルツハイマーモデルマウスを用いて、アルツハイマー病(AD)の新規の病態を発見し、病気の進行をL-アルギニンとリモノイドの投与によって抑制するメカニズムを解明しました。  本成果は、2021 年12月27日付で、医学学術雑誌 Lifeに掲載されました。


私たちは、ヒトADモデルマウスの腸内で腸内細菌叢がDysbiosis 注1) へ移行するとともに、腸内から消失した細菌が膵臓-肝臓-脳を中心とする多臓器へバクテリアルトランスロケーション(BT) 注2) してADの病態が進行する様子を見出しました。ヒトADモデルマウスへL-アルギニンと柚子種子より抽出したリモノイド 注3)を投与すると、腸内の細菌叢の多様性が維持されて腸から膵臓へ細菌のBTが起こらず、ADは進行しない事を明らかにしました(図1)。従って、L-アルギニンと柚子種子抽出リモノイドは、ADおよび神経変性に関連する疾患の治療薬成分となることが期待されます。なお、この研究の詳細は、スイス・バーゼルに本部を置くMDPIが発行する医学学術雑誌Lifeに2021年12月27日付けで掲載されました。本成果は、千葉工業大学の支援を受け、本学で実施して得られました。

■ 用語の説明
注1)Dysbiosis (ディスバイオシス)
腸内細菌叢の多様性を低下した状態を示す。宿主(しゅくしゅ)の腸内細菌叢を構成する細菌の種類や数の減少など健康な状態とは異なる様子を示すために、微生物叢の恒常性の崩壊として特徴付けられ、炎症性や過敏性腸症候群、メタボリック症候群、喘息、心血管疾患など種々の疾患との関連性が示されている。
注2)バクテリアルトランスロケーション(BT)
Bacterial translocation(BT)は、宿主の生理的な異常によって腸内に生息する細菌が腸管上皮を通過して腸管以外の臓器に移行する現象をいう。
注3)柚子種子より抽出したリモノイド
柑橘類に特有に含まれるリモノイドは、抗腫瘍、抗酸化、抗炎症作用などの生理活性能を多く示す。
わが国で最も古い実生(接ぎ木のない原木)の柚子の種子には、驚異的なリモノイドの産生能力があり、次の代謝が種子の中で進み、本研究ではNomiline (ノミリン)、 Deacethylnomiline (デアセチルノミリン), Obacunone (オバクノン)、Limonin (リモニン)の4種類を主成分とした混合物を柚子種子抽出リモノイドとして投与した。
図1 ヒトADモデルマウスの病気の進行と病態を抑制する仕組みの概念図
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