医療・医薬・福祉

アストラゼネカのカルケンス、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の追加適応に向け、製造販売承認事項一部変更承認を申請

アストラゼネカ株式会社
~第III相ELEVATE-TN試験の結果に基づき、適応拡大を目指す~


アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は、カルケンス(R)(一般名:アカラブルチニブ、以下、カルケンス)について、「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を実施したことをお知らせいたします。

本申請は、国内第I相試験および国際共同第III相試験(ELEVATE-TN試験)の結果に基づいています。ELEVATE-TN試験は、未治療のCLL患者さんを対象に、カルケンスの単剤療法またはカルケンスとオビヌツズマブの併用療法を、標準化学免疫療法であるchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較し、有効性と安全性を検討した試験です。

慢性リンパ性白血病(CLL)は欧米ではもっとも患者数の多い白血病ですが、日本および東アジアでは稀な疾患と見なされており、新たに診断される人は、日本全国で1年間に10万人当たり1人未満です(1-3)。

アストラゼネカ 執行役員 研究開発本部長の大津智子は、次のように述べています。「今回の申請により、CLL治療におけるカルケンスのベネフィットをさらに拡大できると期待しています。CLL治療における課題として、『忍容性の維持と長期の症状コントロール』がありますが、第III相ELEVATE-TN試験のデータでは、カルケンスは良好な忍容性を維持し、臨床的に意義のある無増悪生存期間の延長を示しました。カルケンスの単剤療法および併用療法が、未治療のCLL患者さんにとって1日も早く新たな選択肢となるよう、引き続き努めてまいります」。

カルケンスは、日本において「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」の治療薬として承認されており、米国・EUをはじめ78か国以上の国々で、未治療のCLLにおいても治療薬として承認されています。

以上

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慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLは成人白血病において欧米ではもっとも患者数が多く、2017年には世界で新たに114,000例が診断されています。治療の発展による生存期間の延長に伴い、総患者数は今後増加するとみられています(4-7)。

CLLでは、骨髄中の造血幹細胞が異常なリンパ球となって過剰に増加しますが、これらの異常細胞は、感染症に対する防御力が低いことが知られています。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります(6)。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLにおいて異常細胞が増殖する基本的な経路の一つです。

カルケンスについて
カルケンス(アカラブルチニブ)は、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。カルケンスはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します(8,9)。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています(8)。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、カルケンスについて、20を超える臨床試験を実施しています。カルケンスは、CLL、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性マクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、およびその他の血液悪性腫瘍を含む複数のB細胞性の血液がんに対する臨床試験を実施中です。

ELEVATE-TN試験について
ELEVATE-TN(ACE-CL-007)試験は、未治療のCLL患者さんを対象に、カルケンスの単剤療法またはカルケンスとオビヌツズマブの併用療法を、chlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較し、有効性と安全性を評価した無作為化多施設共同非盲検第III相試験です。本試験では、535例を1:1:1で3群に無作為割付けしました。1群目の患者さんにはchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法、2群目にはオビヌツズマブとカルケンス(病勢進行が確認されるまで100mgを1日2回投与)の併用療法、3群目にはカルケンス単剤療法(病勢進行が確認されるまで100mgを1日2回投与)を行いました(10)。

主要評価項目は、chlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較したカルケンスとオビヌツズマブの併用療法の無増悪生存期間(PFS)で、独立判定委員会(IRC)によって評価されました。副次評価項目はchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較したカルケンス単剤療法のPFSで、IRCによって評価されました。他の副次評価項目は、客観的奏効率、次治療までの期間、全生存期間および治験責任医師が評価したPFSでした(10)。

ELEVATE-TN試験において、アカラブルチニブとオビヌツズマブとの併用療法、またはアカラブルチニブの単剤療法を受けた患者さんは、現在の標準療法であるクロラムブシルによる化学療法とオビヌツズマブの併用療法を受けた患者さんと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました(8)。
アカラブルチニブの併用療法群では、病勢進行または死亡に至るリスクが90%減少し(HR 0.10; 95% CI, 0.06-0.17, p<0.0001)、単剤療法群でも80%減少しました(HR 0.20; 95% CI, 0.13-0.30, p<0.0001)(8)。

アカラブルチニブ単剤療法またはオビヌツズマブ併用療法群の患者さんの病勢進行までの期間中央値は未到達であったのに対し、クロラムブシルとオビヌツズマブ併用療法群では22.6ヵ月(95% CI, 20-28)でした(8)。
https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2019/2019120901.html

ELEVATE-TN試験の結果は、2019年12月( https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2019/2019121901.html )に開催された米国血液学会年次総会で発表され、加えて4年時点での追跡調査( https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2021/2021061401.html )は2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において発表されました(10,11)。

アストラゼネカにおける血液腫瘍領域について
アストラゼネカは、血液腫瘍領域における治療を再定義するため、サイエンスの限界に挑戦しています。血液腫瘍への深い理解と固形がんにおける強みを活かし、6つの科学的基盤で疾患の根本的な原因を標的として新しい治療法の開発を推進しています。

アンメットメディカルニーズの高い血液腫瘍への取り組みにより、患者さんや介護者の方々に有意義な影響を与える革新的な医薬品と医療サービスへのアプローチを提供し、血液腫瘍の治療経験を変革することを目指しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100か国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については https://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca( https://twitter.com/AstraZeneca )(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Mahlich J, Okamoto S, Tsubota A. Cost of Illness of Japanese Patients with Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL), and Budget Impact of the Market Introduction of Ibrutinib. Pharmacoecon Open. 2017;1(3):195-202. doi:10.1007/s41669-017-0024-5.
2. National Cancer Institute Cancer Information Service. Chronic Lymphocytic Leukemia/Small Lymphocytic Lymphoma. Available at: https://ganjoho.jp/public/cancer/CLL/index.html . Accessed February 2022.
3. Takizawa J, et al. Comparative Analysis of Japanese and European Typical CLL Patients. Blood. 02 December 2016;128(22):5564.
4. American Cancer Society. What is Chronic Lymphocytic Leukemia. Available online. Accessed December 2021.
5. National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment (PDQ(R))-Patient Version. Available online. Accessed December 2021.
6. Global Burden of Disease Cancer Collaboration. Global, Regional, and National Cancer Incidence, Mortality, Years of Life Lost, Years Lived With Disability, and Disability-Adjusted Life-Years for 29 Cancer Groups, 1990 to 2017. JAMA Oncol. 2019;5(12):1749-1768.
7. Jain N, Chen Q, Ayer T, et al. Prevalence and Economic Burden of Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL) in the Era of Oral Targeted Therapies. Blood. 2015;126:871.
8. CALQUENCE (acalabrutinib) [U.S. prescribing information]. Wilmington, DE; AstraZeneca Pharmaceuticals LP; 2019.
9. Wu J, Zhang M, Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).
10. Sharman JP, Egyed M, Jurczak W, et al. Acalabrutinib ± Obinutuzumab vs Obinutuzumab + Chlorambucil in Treatment-Naive Chronic Lymphocytic Leukemia: ELEVATE-TN 4-Year Follow-up [abstract and poster]. Presented at: American Society for Clinical Oncology (ASCO) Annual Meeting; June 4-8, 2021; virtual. Abstract ID: 7509. Accessed June 2021.
11. Sharman JP, Egyed M, Jurczak W, et al. ELEVATE TN: Phase 3 Study of Acalabrutinib Combined with Obinutuzumab (O) or Alone vs O Plus Chlorambucil (Clb) in Patients (Pts) With Treatment-Naive Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL). Oral presentation at: American Society of Hematology 2019 Annual Meeting and Exposition; December 7-10, 2019; Orlando, FL.

プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2022030716-3e2a64726fcfc1640738830f816a9851.pdf
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