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学内共同研究で新型コロナウイルス禍による子育てやDV相談の実態・課題を浮き彫りに

学校法人 日本教育財団
現場の声をもとに研究結果を報告、5つの提言をまとめる

東京通信大学 人間福祉学部 才村純 教授は研究責任者として、学内共同研究である「新型コロナ禍における子育て家庭の育児ストレスや子ども虐待の実態及びその対策に関する予備的研究」を実施。研究分担者の本学 同学部 都築 繁幸 学部長、 植田 美津恵 准教授をはじめ、計9名が参画しております。なお、本研究の詳細は3月31日に発刊する『東京通信大学 大学紀要』に掲載いたします。



人間福祉学部 才村 純 教授
大阪市立大学 文学部 人間関係学科 心理学専攻卒業。博士(社会福祉学・東洋大学)。大阪府の児童相談所に児童福祉司として勤務した後、大阪府福祉部 福祉政策課主幹、厚生省児童家庭局企画課 児童福祉専門官、日本子ども家庭総合研究所 ソーシャルワーク研究担当部長、関西学院大学 人間福祉学部 教授などを歴任。厚生労働省の社会保障審議会児童部会専門委員会 委員長、日本子ども虐待防止学会 副会長(事務局長)、日本子ども家庭福祉学会 理事などを務める。


研究の目的・背景
この研究は、コロナ禍における育児ストレスや子ども虐待の実態、虐待対応や子育て支援の実態を把握し、今後の研究や支援の実践における課題整理のために行われました。新型コロナウイルスの感染拡大による育児の孤立・密室化や支援現場に与える影響については、2020年の当初から警鐘が鳴らされつつ、実態が見えづらい状況が続いています。本研究は児童相談所や市町村の協力を仰ぎながら定量的・定性的な調査を進めました。

研究手法
量的調査は相談種別・件数の推移、相談経路の変化などをピックアップ。質的調査については、感染拡大を受けた体制整備の状況、一時保護の様相など、児童相談所と市区町村それぞれの課題を把握・分析しました。

研究結果の概要
児童相談所・市町村ともに外出しづらい状況のために相談件数は減少しているものの、虐待を含む養護相談は増加。特に児童相談所に持ち込まれる相談は重篤化の傾向です。外出の自粛や在宅勤務、在宅学習が増えるにつれて親子ともにストレスが増大しているようで、家庭内のトラブルが増えています。

コロナ禍による新たな課題や、子どもの保護や家庭への介入等に苦慮する実態も明らかになりました。SNSやスマホゲームに充てる時間が多くなった結果、生活が乱れ学校に復帰できないケースも。児童相談所からは、相次ぐ自粛要請により施設入所時に様々な制限が設けられたこと、要保護児童が陽性になった場合の安全確保に苦慮したことも報告されています。

新型コロナウイルスへの体制整備については、調査対象のすべての児童相談所が「実施した」と回答したのに対して、市区町村はその1/3のみで差が見られました。児童福祉司や保健師などの増員・動員は図られる一方で、新型コロナウイルスへの知識の充足を図ったのは1ヶ所のみ。時間的・予算的な余裕がなかったと考えられます。各現場からは財源・人的資源の確保、医療・保健分野によるバックアップを国や自治体に求める声が上がっています。

【研究対象】
近畿各府県の児童相談所や市町村児童福祉主管課

【調査対象の期間】
2020年3月~11月

【研究体制】
本研究に携わった研究者は、以下の9名です。
・才村 純(本学 人間福祉学部 教授):研究の統括(研究責任者)
・都築 繁幸(本学 人間福祉学部 学部長):福祉・教育(研究分担者)
・植田 美津恵(本学 人間福祉学部 准教授):公衆衛生・母子保健(研究分担者)
・伊藤 嘉余子(大阪府立大学人間社会システム科学研究科 教授):社会的養護(研究協力者)
・久保 樹里(花園大学社会福祉学部 教授):相談支援体制(研究協力者)
・栗山 直子(追手門学院大学経済学部 教授):家族社会学(研究協力者)
・土田 美世子(龍谷大学社会学部 教授):保育ソーシャルワーク(研究協力者)
・古山 美穂(大阪府立大学地域保健学域・看護学研究科 准教授):母子保健・助産学(研究協力者)
・和田 一郎(花園大学社会福祉学部 教授):相談支援体制・統計学(研究協力者)

今後に向けた展望
本研究では調査結果をふまえ「ゲーム依存等に関する教育・啓発」、「早期発見に向けた機関連携」、「予防及び介入」、「コロナ対策における経験の共有」、「一時保護先の確保と人的体制」という5つの提言を盛り込みました。本研究を通して、新型コロナウイルスの感染拡大が医療機関のみならず、福祉現場にも苦悩をもたらしている事実が浮き彫りになりました。現場の実情が幅広く周知され、研究や支援の拡充につながれば幸いです。

東京通信大学・概要
2018年4月に開学した文部科学省認可の通信制大学。
1回約15分の講義動画をオンラインで受講、通学不要で卒業が可能です。「時間・場所・費用」の制約を超え、より多くの人々に教育の門戸を広げています。「人間福祉学部」「情報マネジメント学部」の2学部を設置。4年間の学費は83.4万円から(入学金込み)。東京・大阪・名古屋の駅前にはキャンパスも構え、学生は図書館や自習スペースを利用することができます。自分のペースで学べるから10代から80代まで、様々な年代を含む4,000名以上の学生が学んでいます(2021年5月時点)。3月20日には、初めての卒業式を迎えます。
東京通信大学HP:https://www.internet.ac.jp/
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