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アトピー性皮膚炎治療に新たな知見! 世界最小*1「ナノサイズ微細水粒子AIR(アイル)」がアトピー性皮膚炎の症状を緩和する可能性

株式会社アイシン AIR事業推進部
※1水粒子の大きさ国内外論文及び特許の調査結果 〈2024年7月26日現在アイシン調べ〉

株式会社アイシン(本社:愛知県刈谷市、以下、アイシン)は、自社で開発した「ナノサイズ微細水粒子AIR(アイル)」を用いた施術により、アトピー性皮膚炎の症状が緩和することを確認しました。この研究成果は野村皮膚科医院野村有子院長との共同研究によるもので、2024年6月に行われた第123回日本皮膚科学会総会で発表されました。
アトピー性皮膚炎とは



アトピー性皮膚炎は肌のバリア機能が低下し、アレルギーの原因物質であるダニ、ハウスダスト、埃、食物などのアレルゲンが侵入しやすくなり、炎症を引き起こします。かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで延びてきて、かゆみを強く感じると皮膚をかき壊してしまうことで、さらに皮膚のバリア機能が低下するという悪循環に陥りやすく、肌から水分が蒸発しやすい状態です。

アトピー性皮膚炎と「ナノサイズ微細水粒子AIR(アイル)」での研究の背景
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴で、アレルギーを起こしやすい体質の人や皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う病気です。これまで、アイシンが開発した世界最小*1の微細水粒子AIR(アイル)により、アトピー性皮膚炎の症状改善効果が報告されてきました。特に薬剤との併用については、一般的に保湿外用薬として用いられる親水クリームで肌の油分・丘疹・浸潤について、プロペトで肌の油分・紅斑について、AIR(アイル)を使用しないときよりも使用したときのほうが有意差をもって改善しました。そこで、今回はAIR(アイル)と親水クリームの併用、AIR(アイル)のみでの影響を、二重盲検法を用いて調べました。

研究成果:
「微細水粒子AIR(アイル)のみ」、「微細水粒子AIR(アイル)と保湿外用薬の併用」では、どちらもアトピー性皮膚炎の症状が改善した

アトピー性皮膚炎患者6人の顔の左右どちらかに「微細水粒子AIR(アイル)のみ」を、「保湿外用薬(親水クリーム)とAIR(アイル)を併用」を行ったところ、どちらも症状が改善しました。だだし、保湿外用薬を併用した側のほうがより改善したケース、AIR(アイル)だけを浴びた側のほうがより改善したケースに分かれるという結果になりました。肌状態を分析すると、AIR(アイル)のみの側が改善した患者は赤みが強い傾向があり、また、期間中に皮膚の油分量が増加した患者は、保湿外用薬と併用した側のほうが改善効果が高かったという傾向が見られました。左右差がなく改善した人もいました。8週間の施術を終了した後は、症状がゆるやかに戻るものの、効果が持続する可能性が示唆されました。




グラフは、医師の診察にて、紅斑・丘疹・浸潤・掻破痕・苔癬化・乾燥・掻痒それぞれ、0(無)1(軽微)2(弱)3(中)4(強)に点数化して評価した結果。上記はアトピー性皮膚炎患者6人の評価の平均点を示したもの。「微細水粒子AIR(アイル)と保湿外用薬(親水クリーム)の併用」群と「AIR(アイル)のみ」群ともに、初回投与後から改善が見られた。投与中止後では、若干悪化しているが投与前よりも改善しており、初回投与後の評価水準を維持している傾向が見られた。

Case1
「微細水粒子AIR(アイル)だけの方が改善した」症例



医師の診察にて、紅斑・丘疹・浸潤・掻破痕・苔癬化・乾燥・掻痒を5段階の点数化で評価。「微細水粒子AIR(アイル)と保湿外用薬(親水クリーム)の併用」(右側)と「微細水粒子AIR(アイル)のみ」(左)ともに、初回投与後から改善が見られたが時間の経過とともに「AIR(アイル)のみ」のほうが改善した。

                微細水粒子AIR(アイル)のみ
         初回投与前                   8週間後




             微細水粒子AIR(アイル)と保湿外用薬の併用
         初回投与前                   8週間後



「微細水粒子AIR(アイル)のみのほうが改善した」症例では赤みが強い傾向があった


Case2
「微細水粒子AIR(アイル)と保湿外用薬の併用のほうが改善した」症例






医師の診察にて、紅斑・丘疹・浸潤・掻破痕・苔癬化・乾燥・掻痒を5段階の点数化で評価。「微細水粒子AIR(アイル)と保湿外用薬(親水クリーム)の併用」(左側)と「微細水粒子のみ」(右側)ともに、初回投与後から改善が見られたが時間の経過とともに「併用側」のほうが改善した。保湿により、「併用側」のほうがより、油分が増加している傾向があった。





            微細水粒子AIR(アイル)と保湿外用薬の併用
          初回投与前                  8週間後



                 微細水粒子AIR(アイル)のみ
         初回投与前                   8週間後



「微細水粒子AIR(アイル)と保湿外用薬の併用のほうが改善した」症例では、保湿によって
油分が増加している傾向があった


ナノサイズ微細水粒子(アイル)によりアトピー性皮膚炎の症状改善効果が確認された一方で、有害事象は認められませんでした。また、被験者からは「今後も続けて使いたい」という強い要望があり、肌の弱いアトピー性皮膚炎患者でも安心して使用できることが示された結果となりました。微細水粒子AIR(アイル)単独と、保湿外用薬(親水クリーム)との併用で改善効果が異なる要因については、今後、さらなる研究を続ける予定です。

研究デザイン:ナノサイズ微細水粒子AIR(アイル)と保湿外用薬を用いた二重盲検法
アトピー性皮膚炎患者6人(野村皮膚科医院通院中でIGA3以下にコントロールされている)を対象に、毎日1日2回に治療薬を全顔に塗布しながら、週に1度、クリニックにて半顔に保湿外用薬(親水クリーム)を塗布し、その後20分間、ナノサイズ微細水粒子AIR(アイル)を全顔に浴びるのを8週間続け、前後の肌の状態を比較する実験を実施。左右どちらに保湿外用薬を塗るかランダムに割り付けられる二重盲検法で行われ、定期的に医師の診察(点数化)、ロボスキンアナライザー、患者へのアンケートを行い、検証した。(研究実施期間:2023年1月1日~2023年7月31日)


      

野村皮膚科医院 野村有子院長
皮膚科専門医。医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。水疱症・膠原病などの病気や皮膚腫瘍の病理組織などの研究に携わる。神奈川県警友会けいゆう病院勤務等を経て、1998年に現医院を開業。アレルギー対応モデルルームを併設し、アトピー性皮膚炎をはじめさまざまな皮膚の病気治療にあたる。一人ひとりの患者を大切にした丁寧な診察に定評がある。

世界最小※1の微細水粒子AIR(アイル)のメカニズムと特徴



AIR(アイル)は、約 1.4nm(ナノメートル)サイズの水粒子。スチームの約 1/600、ウルトラファインバブルや帯電微粒子イオンよりも小さく、電荷を帯びず、極性を持たず、生体に作用しやすく、水粒子の構造が安定していることが最大の特徴です。
生体との相性が良く、美容・理容・医療・ヘルスケア・バイオ・食品・工業など、生活のさまざまな場面で活用できる可能性を秘めています。

※1水粒子の大きさ
※2水粒子返還技術を応用した「非接触型導入美容機器」
国内外論文及び特許の調査結果 〈2024年7月26日現在アイシン調べ〉
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