必勝!医学部入試

こうなる!新たな共通テスト
大学入試センター試験は終了へ

 大学入学共通テストをやさしく解説します。

 国公立大学への合格をめざすには、一般的に大学入試センター試験(以下、センター試験)を受験しなければなりません。センター試験後に自分が志望する大学に願書を提出し、各大学が独自に実施する個別学力試験(前期試験や後期試験)を受験することとなります。

 そのセンター試験は、現在の高3生が受験をする2020年1月を最後に廃止され、高2生からは大学入学共通テストが開始されます。試験の名称が変わるだけならば特に気にする必要はないのですが…。

大学入試センター試験の会場に向かう受験生ら=2019年1月19日、東京都文京区の東京大学【時事】

 ◇どうして変更されるのか

 ここ十年間のコンピューターをはじめとするICT(情報通信技術)やIoT、AIなどの発展は恐ろしいほどのスピードで進化しており、わたしたちの生活にも取り入れられています。最も身近なスマートフォンは、われわれの生活からは切り離せなくなりました。自動運転の車や無人コンビニが街中にあふれるのもそう遠くはないと思います。もちろんこれらの変化は、医師の世界にも影響を与えます。

 ICTなどの発展は世界のグローバル化を促進します。それに対応するためには英語が必要になります。特に日本は少子化によって国内市場は先細っていくばかりで、これまで以上に海外の市場を考えなければなりません。これまでの日本での英語教育は、主に「読む」ことに力を入れてきました。それは入学試験で必要とされた学力が「読む」こと中心だったからです。

 目まぐるしく変化する世の中で、一人ひとりが幸せに生きていくためには、これまでのようにある程度の予測可能な時代に必要とされた能力では不十分になりつつあります。そのためにこれからの時代に対応できる能力を身に付ける教育が必要となり、文部科学省は入学試験を変更することが効率的だと考えました。知識偏重と言われ続けた日本の教育現場は、今回、変革を迫られることになります。

 まずは国が主導で実施している「知識・技能」を主に求めるセンター試験を改革することとなり、共通テストが始まることになりました。

 それでは、どのように変わるのかを見てみましょう。

 ◇共通テストはどうなるのか?

 主な変更点を三つにまとめると次の通りです。

 (1)センター試験は全ての教科・科目の解答がマークシート形式でしたが、共通テストではマークシート式に加えて、国語と数学は一部が記述式になります(今後、理科や地歴公民も一部は記述式を導入予定)。
 (2)英語はセンター試験では出題されなかった「話す」「書く」の問題も加わります。この分野の試験は、英検やTOEFLなど外部の資格・検定試験を利用します。
 (3)センター試験は「知識・技能」を十分有しているかの評価をしてきましたが、共通テストはこの評価も行いつつ、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価を行います。

センター試験と共通テスト

 ところで、文科省が公表している入試制度の改革関連の記事を読むと、「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」の言葉が頻繁にでてきます。いったいどういう意味なのか。「知識」は記憶力、「技能」は暗記した公式などを素早く使って解決する力と言ってよいかもしれません。

 それでは「思考力・判断力・表現力」とはどういうことなのでしょうか。入試という観点から説明すると、「思考力」は入試では初見の問題を解く際に、これまで学習したこと(知識や技能)や問題文で与えられた情報などを基に推測して解答する力のことです。「判断力」は、解答に必要な問題文中の文章・資料から、どこの部分を評価・抽出して解決をする力です。「表現力」は、「思考力」「判断力」を使って考えたことを、解答用紙に文字で記述したり、試験官へ言葉で伝えたりする力です。

 「思考力・判断力・表現力」は、これまでも多くの国公立大学や私立大学の個別学力で必要とされてきました。医学部で課せられる面接試験で求められる力などもこれにあたります。

 新設される共通テストの評価については、「各教科・科目の特質に応じ、知識・技能を十分有しているかの評価も行いつつ、思考力・判断力・表現力を中心に評価を行うものとする」 (文科省のHP「大学入学共通テスト実施方針」より)となっています。

 ここまで見てきただけでも、共通テストはセンター試験よりもだいぶ難しくなりそうだと感じたのではないでしょうか。

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