必勝!医学部入試
「三つのポリシー」理解せずして志望校は決められない
必勝!医学部入試
いよいよ夏休みも終わり、新学期が始まります。高3生や高卒生は少しの時間もおろそかにできない時期となりました。以前のテーマでも、できる限り早く志望大学を決定して、過去問演習に取りかかる重要性をお伝えしています。
志望校選定の際に重要となるのが「アドミッション・ポリシー」です。そのような言葉を聞いたことがない、と思う人もいると思います。保護者が受験生だった頃に「アドミッション・ポリシー」なるものが存在したのか。私は受験生の頃に聞いたことがありませんでした。ところが、この「アドミッション・ポリシー」は、とても重要になってきました。
◇全大学に公表義務付け
2017年に文部科学省は、全大学に対して「アドミッション・ポリシー」「カリキュラム・ポリシー」「ディプロマ・ポリシー」の「三つのポリシー」を作成して公表することを義務付けました。現在は、全ての大学のWEBサイトで三つのポリシーを見ることが可能です。
それでは、ここで簡単に「三つのポリシー」を解説します。(1)「アドミッション・ポリシー」は大学側がどのような受験生に入学してほしいか(2)「カリキュラム・ポリシー」は大学がどのような内容で教育を行い、評価を行うか(3)「ディプロマ・ポリシー」は卒業する際にどのような能力が身についている―がそれぞれ書かれています。
三つとも大切ですが、「アドミッション・ポリシー」は、入試に直結する内容なので特に大切です。各大学がどのような選抜試験を実施し何を評価するのか、大学入学までに必要な学力、勉強以外の高校時代の取り組みなども書かれています。例えば、「ボランティアなど社会貢献に取り組んだ経験があること」ということを記載している大学もあります。

表1
◇求める学生像が一目瞭然
とても分かりやすい一つの例として、表1は同じ仙台市内にある東北大学と東北医科薬科大学の医学部の「アドミッション・ポリシー」です。
赤字は、それぞれの大学の特徴的な記載ですが、求めている学生像が違うことは一目瞭然だと思います。東北医科薬科大学の面接試験で志望理由を質問されて、「将来は、国際的に活躍できる研究者になりたい」と返答したら評価は低いかもしれません。
今、志望校が決まっている人は、自分の志望校の「三つのポリシー」を読んでみて、ピンときますか、理解できますか、本当に志望校にしてもよいですか。
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(2019/08/30 07:00)