必勝!医学部入試

2021年度医学部入試、冬休み開始の前に考えておくべきこと

 今年も残すところあと少しになりました。共通テスト実施まで1カ月を切り、受験生は1秒たりとも無駄にできない状況だと思います。受験生にとってはただでさえプレッシャーを受ける時期ですが、2021年度は「大学入試改革」の初年であることに加えて、想定外の新型コロナウイルスの感染拡大の中で受験を迎えることになります。そのために、例年よりも高3生や浪人生は、焦りの色が見え、落ち着きが無いように思えます。

 そのような中で、来春、合格をつかむために、今ここで冬休みに考えておくべきことをお伝えします。

センター試験に代わり行われる大学入学共通テストの出願書類の開封作業=9月28日、東京都目黒区

 ◇共通テストと個別試験の対策

 大学入試改革の中で最も大きな内容は、これまでのセンター試験が「共通テスト」へと変わることです。今の時期は、国公立大学を目指す多くの受験生は、大学が実施する個別試験から共通テストへ勉強の比重を移していると思います。センター試験は「知識・技能」中心の試験でしたが、共通テストは「思考力・判断力・表現力」を中心に評価する試験に変わります。大きく出題方針が変わりますが、過去問が存在しないためにその対策に戸惑いと多くの時間を取られている人も多いようです。どのくらい共通テストの対策に時間をかけるかは、今の時期はとても重要になります。

 国公立大学医学部の場合には、共通テストで高得点を取っただけでは合格できないため、個別試験の対策も並行して行わなければなりません。むしろ個別試験の出来・不出来で、合否が決まると言って良いかもしれません。

 ◇「共通テストボケ」に注意!

 一般的な公立高校の授業は、これから共通テスト対策を中心に行うところも多いと思いますが、それは全員が医学部や難関大学を志望する生徒ばかりではないからです。そう言った場合は、高校で共通テストの対策に専念し、自習や自宅での勉強は全て個別試験の対策に充てて良いかもしれません。

 とにかく、今の時期から共通テストの対策に100%の時間を費やした場合、共通テストが終了してから個別試験の対策に入ってもうまくいかない可能性があります。いわゆる「共通テストボケ」(これまでは「センター試験ボケ」と言われていた)を回避しなければなりません。特に、英語と数学については、これまで養ってきた勘を取り戻すのに時間がかかります。

 ◇共通テスト後も注意が必要!

 本来、共通テスト終了から国公立大学前期個別試験までは40日ほど期間があります。受験生は共通テスト終了の翌日に自己採点を行い、いくつかの自己採点業者に結果と受験予定大学を提出します。そして国公立大学個別試験の願書は、2月5日までに提出します(特例追試を除く)。多くの受験生は、自己採点業者のボーダーラインや志望校判定、出願予定大学の出願状況などを考慮するあまりに、提出が締め切り日の直前になる人も多くいます。そうなれば、この間は個別試験の対策に集中できず、2週間以上も時間を無駄にする可能性があります。そうなれば、医学部の合格可能性は下がります。

 特に2021年度は、共通テストが初実施のため、平均点がどのようになるのか分からないために、出願に慎重になる人が増えそうです。

  ◇今のうちに個別試験終了までの学習計画表を再考する!

 共通テストと前期個別試験に注目をして、自分が作成している学習計画表を再度、見直してみましょう。そのときに、注意すべきことは次の通りです。

 (1)志望大学の共通テストと前期個別試験の配点比率、科目別の配点比率

 (2)志望大学の個別試験の問題難易度・出題内容

 (3)自身の得意・不得意科目、得意分野・不得意分野

 (4)過去の自己採点結果からみる志望大学の合否分布

 (1)は、極端に共通テストの配点比率が高い大学もあります。また、その逆もあります。(2)と(3)を考えることで、やるべきことが決まります。また、得意科目は勉強をしていて楽しいために、必要以上の時間をかける人もいます。いわゆる「趣味の勉強」は、無駄な勉強になる可能性が高く、合否に影響を及ぼします。(4)は、高校の進路指導室に、さまざまな業者が作成した自己採点参加者の大学ごとの合否追跡結果集があります。

 (1)~(4)を考えて、共通テストと個別試験の勉強の比率を考えなければならなりませんが、このことがなかなか決められない受験生も多くいます。自分でどのようにしたらよいか分からない場合には、教材の選定も含めて、高校や予備校の担任の先生に相談をしてください。あなたをよく知る人のアドバイスを基に学習計画表を作成すれば、合格可能性は一段と上ります。

  ◇国公立大学と私立大学の併願の場合の注意点!

  医学部を国私併願受験する生徒は、年々、増加しており、勉強のやり方にも注意が必要です。はや私立大学に「滑り止め」校は存在しないと思ってください。

 2021年度は、共通テストは1月16・17日に実施、翌々日である1月19日から私立大学の1次試験が開始され、多くの大学は2月の第1週目ごろまでに終了します。つまり、今の時期から共通テストに専念をして勉強をしていたら、一部の大学については、私立大学の受験勉強が十分にできないままに、試験本番を迎える可能性があります。

 国公立大学と比較をすると、一般的に私立大学の入試問題の特徴は、(1)試験時間に対する問題分量が多い (2)大学ごとに特徴があって傾向が違う (3)大学ごとに解答形式も異なる の三つです。もちろん大学の中には、一般的な国公立大学と同じような入試問題を出題する大学もありますが、そうような大学は明らかに少数です。

 よって、国私併願をする場合には、共通テストと国公立大学個別試験の対策と並行をしながら、私立大学の勉強も必要になります。特に入試日直前までに、受験校の過去問演習をある程度行ってから試験本番に臨む必要があります。

 ◇国私併願の学習計画表の立て方

 この場合の国私併願は、国公立大学が不合格の場合に、私立大学に合格をすれば入学をすることを前提とする併願です。

 私立大学医学部は、昔と比較をすると圧倒的に難化しおり、また、先に述べたように入試問題に特徴があるために、「国公立大学がダメならば、私立大学へ」とはいかなくなりました。合格のためにも、国公立大学と私立大学の両方の合格を考えた対策が必要となります。

 とは言っても、1日の学習時間には限りがあります。よって効率よく学習するためには、計画表の作成は必須となります。

 国公立大学の前期個別試験と私立大学の個別試験は、試験科目・範囲が共通であることが多く、また「思考力」を中心に評価をする試験であることは共通しています。異なるのは、私立大学は先に述べた(1)~(3)の三つのことと、共通テスト後にすぐに試験が始まると言うことです。国私併願の場合の私立大学の対策の注意点は以下の通りです。

 (1) 共通テスト後の翌週(~24日)ごろまでに私立大学を受験する場合は、1月の第1週目ごろまでには過去問演習を一通り終えておく。

 (2)最低、過去3年分の過去問演習を行う。

 (3)私立大学の併願校が多い場合(一般的に5大学以上)は、得意科目や同じ傾向の大学の過去問は、演習量を減らす。

試験日程

 (3)を行う場合には、受験大学の全ての過去問を1回解いておかなくてはなりません。また、2020年度に出題傾向が変わった大学もあるので注意が必要です。

 私立大学の1次試験に合格をすると、とても自信を持つことができて、勉強に勢いが付きます。その結果、国公立大学の前期個別試験も万全の状態で臨むことができます。逆に不合格の場合には、落ち込んで勉強が手に付けなくなる場合もあります。「滑り止め」のつもりで受験した大学が不合格の場合にはなおさらです。ですから、国私併願の場合には、私立大学の学習計画表の作成も十分に考えなければなりません。

 冒頭でも書きましたが、入試本番までは時間がありません。しかしながら、これから受験日までの過ごし方・勉強の仕方で合格可能性は飛躍的にアップをします。特に現役生は、最後の最後まで学力が伸びます。来春の合格を願っています。(医系専門予備校メディカルラボ 山本雄三)

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