インタビュー

梅毒、尾上泰彦医師に聞く(下)=感染拡大どう対処する?


 ◇完治後も抗体はできず

 ―治療はどのように行われるか。

 尾上 症状や病期によっても違うが、抗菌薬の内服治療が一般的。第2期までであれば、4週間の内服で病原菌はほぼ死滅する。その後も医師の指示に従い、完全に死滅するまで内服を続ける。治療薬は耐性の報告がないペニシリン系抗生物質が第1選択。アモキシシリンが使用されることが多い。欧米では飲み忘れの心配がない1回の注射で終わる治療が行われているが、日本はアレルギー反応で死亡するリスクを考慮し、現時点では未承認だ。死亡のリスクが100万人に1人という低リスクなことから、将来的には承認されるだろう。

 ―一度治療すれば、再発しないか。

 尾上 梅毒は強い抗体ができるわけではなく、完治しても、また接触すれば感染する可能性はある。けれども、抗菌薬を飲んで治療すれば確実に治る病気だ。今のところ、抗菌薬に対抗する耐性菌の報告もない。一度感染すると体内には抗体が残るため、数値は高いままになっていることが多い。「治りきってない」「また感染した」と心配になる人もいるが、適切な治療を行えば、数値は高くても病原菌自体は死滅して完治している。数字に惑わされる必要はない。

 ―感染を予防するにはどうすればいいか。

 尾上 100%とはいえないが、性交の際にコンドームを使用することでの有効性は確認されている。梅毒の感染予防の基本は▽不特定多数の人とセックスをしない▽性行為では最後までコンドームを使う▽オーラルセックスは安全とはいえない▽性行為では、この人は大丈夫と思い込まない▽不安な場合は時機をみて検査を受ける▽感染が分かれば徹底治療をする―などが重要だ。(ソーシャライズ社提供)

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