ハヤミミDr.純子のメディカルサロン

第21回 医師に上手に不調を伝えるヒント

 逆に医師が話を遮りやすい条件とは何でしょう。

 (1)症状の自己診断

 例えば「テレビで同じような症状が○○という病気の危険があると言っていた」「友達が○○ではないかと言っていた」など。自己診断を話すと、医師はまず聞いてくれません。それはプライドではなく、余計な先入観を与えられたくないということと、医師は症状の一つに注目して調べるのではなく、受診者の方の全身状態を見て、総合的に診断を行うので、テレビやお友達の意見はまず役に立たないものです。

 (2)何枚ものメモを持ち、話し始めるような場合

 中には、症状の時系列を何枚ものメモにぎっしり、熱の上がり下がりまで書いて、最初から読み始める方もいます。これには内心ギョッとするものです。この時系列は、医師の診断には必要がない場合がほとんどです。

 大事なポイントを医師は聞きますから、メモは大事にお持ちになり、医師に詳細を聞かれた場合、提示すると診断に役立ちます。


 それでは、医師とベストな関係を構築するには何が必要でしょうか。

 (1)白衣恐怖を克服する

 医師の前に出ると緊張して聞きたいことを話せない。あるいは、遠慮するということも多いものです。そんな時は、受診前にポイントをメモしてください。メモには、どうしても聞き逃せないことを書き留めておきます。

 (2)アクティングアウトについて知っておく

 アクティングアウトとは「行動化」のことです。私は心療内科の医師ですが、心の問題について受診するクライアントには、最初にこの「アクティングアウト」について説明します。医師に話したいなと思っても、話しづらいことがある。そのような場合、我慢して話さず、帰宅後に物に当たったりします。つまり、行動に変えてフラストレーションを発散したりすることがあるわけです。これが「行動化」です。

 そこで、医師に話しづらいことがある場合、その内容については話さなくてもいいので、「話しづらいことがある」ということを医師に伝えておきます。すると、「行動化」を防止できます。

 これは心療内科の場合ですが、心の問題でなくても同じです。医師に話したいことがあっても、ちょっと遠慮してしまったり、聞きにくかったりすると、後で妙にそのことが気になり、その病院にかかるのはやめようかと考えたり、医師との関係性がよくなくなったりすることもあります。ですから「どうしてもこれは聞いておきたい」ことは忘れずに、あるいは「まあ、いいか」とあきらめずに、伝えてほしいと思います。

(文 海原純子)


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