必勝!医学部入試

医学部人気、八つの秘密

 昔から医学部は人気がある学部の一つでした。成績が良ければ、東大・京大といった旧帝大などの難関大学と並んで、医学部を考える人が多くいました。それでもここ十数年の医学部人気は少し異常な状態だと言えるでしょう。

 昔は大企業に入れば年功序列・終身雇用・高収入が約束されていて、身近に人生のロールモデルとなる人がいましたが、今それは幻想となりました。弁護士をはじめとする資格が必要な仕事も、資格を所持しているだけで生活できるという時代ではなくなりました。

避難所の小学校の校庭に設置されたトレーラーの中で被災者を診察する医師=2018年7月18日、岡山県倉敷市真備町地区(時事)
 そんな中で医師という職業は、人々から尊敬され、さほど不況にも関係がなく、年収も高く、定年も自分で決められることを考えると、医学部人気は当然の結果かもしれません。

 さて、具体的に人気の秘密を考えてみましょう。

 ◇人気の理由

 ここ十数年前から続く医学部人気は、次のような理由があるのではないかと考えています。

(1)深刻な医師不足、地域枠入試の拡大
(2)医師になって社会貢献したい人の増加
(3)名門高校の「東大・京大」離れと地元大学の医学部シフト
(4)女子の医学部志望者の増加
(5)1970年代にたくさん新設された医学部入学世代の子どもが受験期に
(6)私大医学部の学費減額と奨学金制度の充実
(7)テレビドラマの影響
(8)歯学部志望者の激減

 これらについて、少しだけ解説をしてみます。

 ◇医師不足と地域枠

 「地域枠」は、ここ十数年で拡大したもので、医師不足が深刻な地方を中心に、医学部卒業後に一定期間は大学が指定する医療機関で働くことを条件として生徒募集を行います。大学が所在する都道府県の高校卒業を出願条件にするなど地元出身者に有利で、奨学金などと連動していることも多く、医学部人気の一端を担っています。

 ◇医師になって社会貢献

 社会貢献したい地元を愛する若者が増えたことも関係していると思います。教育関係の方々は、2011年に発生した東日本大震災の後くらいから、社会貢献をしたいと考える若者が増えたと感じており、その後も熊本地震や大雨による水害などで、日本中でボランティア活動に参加する人が増えていることも周知のことです。

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