必勝!医学部入試

医学部人気の今後を予想する

 今の医学部人気が今後、どのくらい続くのか誰も分かりません。医師以上に魅力的な職業が出現する可能性もあります。スマートフォン(iPhone)の発売は2007年でした。わずか10年しか経過していませんが、誰もがスマートフォンを所有するようになり、世の中や仕事のやり方は大きく変わりました。AI(人工知能)やICT(情報通信技術)、シンギュラリティ(人工知能が人間の知性を超える時点)、ムーアの法則など、技術革新に関する言葉も日常に浸透しています。

 ◇消える仕事

米IBMの人工知能システム「ワトソン」(AFP=時事)
 2014年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン先生が発表した論文「雇用の未来」は日本でも話題を呼びましたが、この論文には今後10~20年に「消える可能性がある仕事」が記載されていました。この中で、医療関係の仕事は「消える可能性がある仕事」に入っていませんでした。

 これからの世の中は、AIやICT、ロボット技術の発展によって大きく変わることは周知の通りです。既に医療の世界にも、医療ロボット「ダビンチ」やIBMのAI「ワトソン」などさまざまなものが導入され活躍しています。

 特に今後は、医師の職務の多くを占める診断や簡単な治療、手術などは、AIやロボットが大きく力を発揮できる分野になるでしょう。しかし、日本人の死亡原因1位のがんですらいまだ完治できる治療法が確立されていませんから、がんをはじめとする未解決の病気の研究にこれからの医師は専念できるようになると思います。

 ◇AIと医師が協働

 また、人間の医師の強みは、感情や意思をもっていることであり、患者の表情や言葉の行間からさまざまなことを読み取ることができます。今後、AIが発展しても、それは過去の膨大なデータ蓄積から結論を導いているにすぎません。例えば、新たな病気の治療方法の確立や判断が分かれる場合の最終判断、患者へのがんの告知などを、AIやロボットができる時代はそんなに簡単にやって来るとは思えません。

 今後は、AIと医師が協働して解決することが必要不可欠となり、さまざまな場面で医師が活躍できるフィールドは増えてくると思います。そう考えると、今後も間違いなく医学部の人気は継続していくでしょう。(医系専門予備校メディカルラボ 山本雄三)