必勝!医学部入試

志望者数、その推移に見る医学部入試

 少子化が進行する中で、ここ十数年は文系・理系を含めた私立大学全体をみると、40%前後の大学が定員割れをおこしています。しかし、医学部医学科(以下、医学部)は国公立大学、私立大学を問わず最難関の学部であり、非常に多くの志願者を集めています。今年の2~3月に実施された医学部の志願者数ベスト5は、表1・表2のとおりです。

 ◇定員は増加

 表1
 医学部の入学定員は、かつてよりも大きく増加しています。1960年度前後は約2800人だったのですが、2018年度はなんと9419人でした。実に3倍以上も増えています。1970年代に入り、閣議決定された「一県一医大構想」の下で79年までに新たに16もの大学で医学部が創設されました。

 ここ10年は地域医療を支えるために「新医師確保総合対策」「緊急医師確保対策」「新成長戦略」により定員増が行われました。また、37年ぶりの医学部新設となった東北医科薬科大学(2016年)や国際医療福祉大の医学部新設(17年)にもかかわらず、医学部は全大学の志願者倍率が高く、難度も最難関です。それだけ医学部人気は衰えを知らないといえます。

 ◇国公立は3~5倍

 表2
 「志願者数」を「募集定員」で割れば、「志願者倍率」が出ます。国公立大学の場合には、前期日程は一人1大学のみ出願が可能で、ほとんどの大学で2段階選抜(いわゆる足切り)を実施します。そのためにセンター試験受験後の自己採点結果を見てから、医学部を諦める受験生も多くいるために、志願者数はある程度は抑えられます。そのために多くの国公立大学の倍率は、おおむね3~5倍に落ち着きます。

 「名門高校の東大・京大離れと地元大学の医学部シフト」について前回のコラムで解説をしましたが、東大を除くと旧帝大などの超難関大学はランクインしておらず、地方の医学部に生徒が集まっています(表1参照)。医師免許を取得することを目標にすれば、無理をして地元を離れた難関医学部を目指す必要はありません。

 また、受験生全体を見れば、以前よりも地元志向が強くなっています。地元での安定した仕事をと考えると、大きな民間企業が少ない場合、医師の他には公務員や学校の先生くらしか選択肢がありません。よって地方での医学部志願者は増加せざるを得ないです。

 ◇地元志向の高まり

 地元志向については、女子の医学部志望者の増加もその一因ではないかと思います。また、医師不足や診療科偏在を解消するために、2008年以降に多くの大学が「地域枠」の入試区分を設けて、定員増を行ったことも医学部の地元志向へとつながりました。

 国公立大学は全てで50大学ありますが、このうち後期日程を実施しているのは23大学です。後期2次試験で英語や数学、理科の学科試験を課す大学は4大学のみで、その他の大学は面接と小論文の試験が中心となります。これによりセンター試験の超高得点者が有利になります。

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