必勝!医学部入試

志望者数、その推移に見る医学部入試

 旧帝大で後期日程を実施する大学は、名古屋大学のみですが、「入学志願者の出身高等学校又は中等教育学校が愛知県内であること」など出願資格が必要です。そのため、国公立大学を目指す多くの受験生は、前期試験の合格に向けて受験対策を行います。

 ◇一人で10校以上も

 これに対して私立大学は、複数校併願が可能で試験日程が重ならない限りは何校でも受験可能です。そのために志願者数が非常に多くなっています。私大専願の場合には、一人で10校以上も受験する生徒がいます。

 また、保護者の時代と比較すれば、医学部においても国公立大学と私立大学の併願者が増加し、公立大学に合格をしても、自宅から通えることや、それぞれの大学で学べる内容、卒業後のことなどを考えて私立大学へ進学する人もいます。経済的な問題がなければ、1年でも早く医師になってほしいと考える保護者も増えました。これらのことも私立大学医学部の志願者数増加につながっています。

 さて志願者が一番多い帝京大学は、1次試験日を例年3日間設定、二番目に多い東海大学は2日間設定しており、1日でも2日でも3日でも都合のよい日だけ受験することが可能なため、志願者数は延べ人数となります。そのことを考慮しても、帝京大学には8499人の志願者が集まっています。「志願者倍率」を計算しようものならば、その倍率の高さに絶望的になる保護者や受験生も多いかと思います。

 ◇総志願者数は減少

 成績上位者は複数の医学部へ合格をする場合が多いです。例えば国公立大学と私立大学を併願した場合、両方に合格したら多くの受験生は国公立大学へ入学をするでしょうし、私立大学専願受験の場合でも、より優先順位の高い大学へ進学をします。そのために、私立大学の場合は、正規合格の他に「補欠繰り上げ合格」を出します。大学によっては定員3倍以上もの合格者を出す大学が複数あります。全ての私立大学の場合、「総合格者数」は「正規合格者数」よりも多いと考えて良いでしょう。

 そういった状況を考慮した「実質合格倍率」([受験者数]/[総合格者数])で考えてみても、私立大学の場合には、低い大学でも8倍以上になります。

 例えば昭和大学(表2参照)は、受験生に人気が高くて難度も高く、「志願者倍率」は約45倍と非常に高倍率ですが、「実質合格倍率」は約12倍となります。「志願者倍率」よりはだいぶ低くなりますが、この12倍という数値は12人受験してやっと一人の合格者が出るといことですから、他学部にはないかなり厳しい入試が展開されていることはわかるかと思います。

 少子化に伴い、実は医学部の志願者総数は、国公立大学も私立大学もここ数年減少に転じています。これは、このところの大卒者の就職内定率が非常に高いことも影響をしているかと思います。何年も浪人をして、合格できるか分からない医学部をめざす層が、医学部ではなくて他の学部に志望を変更をする場合もあります。しかしながら、医学部志願者における成績上位者は、依然として減少していないために、変わらずに最難関の学部であることには変わりません。(医系専門予備校メディカルラボ 山本雄三)

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