必勝!医学部入試

奨学金・修学資金はお得か
医学部「地域枠」の特徴は?

 医学部の奨学金・修学資金は、どのような大学で給付がされるのか。大学時代に奨学金を利用した場合、貸与型給付金であれば卒業後に返済しなければならず、苦労をしている人も多いようで、たびたびニュースにも取り上げられています。では医学部の場合は、学費が高額になりますが、これらのことがどのようになっているのか。

 ◇地域医療を支える入試枠

 その説明の前に、ほぼ医学部だけに存在する「地域枠入試」という入試区分に触れる必要があります。ご存じの方も多いかと思いますが、「地域枠入試」は、主に地方での医師不足や診療科の偏在が問題となっている地域で、将来、地元の医療を支えてくれる受験生のために行われる入学試験枠です。
 「地域枠入試」には、主に次のような特徴が考えられます。

(1)医師不足の解消
(2)地元占有率が高まる(他県からの受験者が減少)
(3)本当に医師になりたい人が合格する(面接試験も重視)
(4)地方においては、少し入りやすい大学も出てきた
(5)現役合格率のアップ(出願資格を現役生に限った場合)
(6)奨学金・修学資金の貸与によって、一般家庭からの進学者の増加

 今回の話では(6)の内容が関係します。

 国公立、私立を問わずにほぼ全ての大学が「地域枠」での入学者に対して、奨学金・修学資金の貸与を行っています。「一般入試」や「推薦入試」「センター利用入試」の中で「地域枠」を募集する大学が多いですが、入学後に希望者を募る大学もあります。大学によって異なるため注意が必要です。

 ◇生活費の支給も

 例えば、先述の順天堂大学を例に挙げると、「東京都地域枠」「新潟県地域枠」「千葉県地域枠」「埼玉県地域枠」「静岡県地域枠」の五つの地域枠があります。「東京都地域枠」の奨学金=正式名称「東京都地域医療医師奨学金(特別貸与奨学金)制度」=は、6年間総額の学納金に加えて、月額10万円の生活費も支給されます。これだと一般家庭の受験生でも順天堂大学に通うことは可能です。

 一般的な奨学金と医学部地域枠の奨学金は、どのように違うのか。

 ほとんどの「地域枠入試」は、『貸与』という形式で奨学金を支給しています。それでは医学部卒業後に全額を返済しなければならないかと言えば、その限りではありません。一定条件を満たせば返還が免除されます。順天堂大学の「東京都地域枠」の場合には、大まかには次の二つの条件を満たすことです。

(1)大学を卒業した日から2年以内に実施される医師国家試験に合格し、合格後は速やかに医師免許を取得すること。
(2)医師免許取得後、直ちに、東京都内の地域で、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療を担う医療機関において、奨学金貸与期間の1.5倍の期間、医師として従事すること。

 ◇9年間は大学に拘束

 「奨学金貸与期間の1.5倍の期間」ですから、通常は大学に6年間在籍しますので、卒業後に9年間は卒業した大学に拘束されることとなります。

 なお返済免除に関する条件などは大学ごとに異なります。地域枠に関しては、各大学のホームページや、公益財団法人へき地ネットをご参照ください。

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横浜市立大学医学部医学科同窓会 倶進会