インタビュー

結婚式でもお酒を勧めない
違法薬物も安心して相談を
~依存症の専門医 松本俊彦氏~

           ◇守秘義務が優先

 --薬物依存を相談すると警察に通報されないか

インタビューに応える松本俊彦氏

 精神保健福祉センターは秘密を守ってくれる。薬物の問題で困っている人は、相談すると警察に通報されると思うかもしれないが、ちゃんと守秘義務が優先される。

 医療機関は守秘義務が定められている。命が危ない時など治療上の理由がある場合は犯罪行為であっても守秘義務を守ることが許される。公務員は犯罪告発義務があるが、治療上望ましい場合には公務員の医療者も守秘義務を優先することが許されている。

 相談機関の場合も同様に犯罪告発義務があるが、相談支援を遂行する上で告発をしないことは医療者と同様に全く可能。目の前で薬物を持っていたり、売られたりした場合は難しいが、口頭で「使っちゃいました」とか「家で(家族が)使っているみたいです」といった場合には、全部守秘義務で対応できる。安心して相談してほしい。

          ◇称賛、尊敬の気持ちを

 --回復に向けた自助グループの役割は

薬物依存症の自助グループ・回復支援施設「川崎ダルク」

 意思や根性でやめるのに成功している人もいるが、それはやせ我慢のような形になってしまう。一番成功率が高い、長期にわたってやめた状態の実績があるのは自助グループに通っている場合。同じ問題を抱えた当事者が協力し合いながらミーティングを開くことで、酒や薬物を断ち続ける、ギャンブルをしない日々を継続できる。

 --依存症から回復した人への接し方は

 回復のためにがんばっている人は、称賛に値することを理解し、尊敬の気持ちを持ってほしい。依存症の人がやめ続けるには、大変な努力が必要。アルコールを10年間やめている方が、「たまにはいいんじゃない。一杯だけどう」「結婚式なんだから…」と勧められて一杯飲むと元の状態に戻ってしまう。絶対にやめてほしい。薬物、ギャンブルといっしょにお酒をやめている人にも勧めてはいけない。お酒が入るとギャンブルをやりたくなる人がいることにも注意が必要だ。(解説委員・舟橋良治)

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