【徹底解説】AGA治療薬の効果や副作用を比較|通販でも手に入る?

【徹底解説】AGA治療薬の効果や副作用を比較

2023年11月17日

監修医師 川島 峻(かわしま しゅん) 新宿アイランド内科クリニック 院長

  • hp
医師、医学博士。横浜市立大学医学部、東京大学大学院医学系研究科卒業。 虎の門病院、東大病院心臓呼吸器外科、Brigham and Women's Hospitalなどで勤務。現在、新宿アイランド内科クリニック院長として幅広い世代に対して内科疾患、予防医療を中心に診療している。専門科は呼吸器科、アレルギー科、皮膚科、AGA。呼吸器専門医、胸部外科専門医会員、呼吸器外科専門医、外科専門医、がん治療認定医。

「抜け毛が気になる」
「歳を重ねるごとに髪の薄さが目立ってきた」
「もしかしたら AGAかも…」

と、髪に対する自信を失っていませんか?

この記事では、AGA治療薬の効果や副作用、そして信頼できる医師の選び方について、わかりやすく解説します。

自分に適切なAGA治療薬を見つけたい方は、ぜひご覧ください。

AGA治療薬の効果と基本知識

AGA治療薬の効果と基本知識

まずは、AGA治療薬の効果や基本知識、そしてメカニズムを解説していきます。

内服薬と外用薬の違い、それぞれの用途や効果、有効成分の作用メカニズム、処方の方法、そして副作用などを解説します。治療薬の選択や使用において、より明確で信頼性のある判断ができるようになりましょう。

抜け毛を減らす代表的な薬はプロペシア(フィナステリド)

プロペシアは、抜け毛に悩む多くの方々にとって、初めて処方される代表的なAGA内服薬です。プロペシアの効果の秘密は、主に、フィナステリドという有効成分にあり、抜け毛の大きな原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの生成を効果的に抑制すると考えられているほか、安全性も確認されています。

ただし、効果を実感するまでには約3ヶ月以上の服用が必要とされ、一部の方では副作用の報告もあります。特に、性欲減退や勃起不全のような副作用が報告されてるので、デメリットも理解したうえで服用するようにしましょう。

治療費用は、1ヶ月あたり約10,000円程度となりますが、ジェネリック医薬品も存在し、費用を抑えることが可能です。

フィナステリドは,テストステロンをより強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換する II 型5-α 還元酵素に対する阻害剤である

眞鍋求, et al. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版. 日本皮膚科学会雑誌, 2017, 127.13: 2763-2777.

より強力なDHT抑制効果で薄毛・抜け毛を予防するザガーロ(デュタステリド)

ザガーロは、プロペシアよりも強力なDHT抑制効果を持つAGA内服薬です。デュタステリドという有効成分が、薄毛・抜け毛の予防に効果を発揮すると考えられています。

ただ、強力な効果がある一方で、副作用のリスクも高まります。一例として、乳がんのリスク増加や、精子の量や運動能力の低下などが報告されています。

治療費用は、1ヶ月あたり約15,000円程度となる反面、高い効果が期待できることから多くの方が選択しているAGA治療薬でもあります。

デュタステリドは,テストステロンをより強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換する 5-α還元酵素の I 型,II 型両者に対する阻害剤である

眞鍋求, et al. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版. 日本皮膚科学会雑誌, 2017, 127.13: 2763-2777.

関連記事
【徹底解説】ザガーロ(デュタステリド)の効果!
ザガーロ(デュタステリド)の効果を徹底解説!副作用はある?服用期間は?

ザガーロ(デュタステリド)効果や副作用を徹底解説!いつから効果が現れるか、副作用が現れた時の対処法についても紹介しています。サガーロの情報を全般的に知ったうえでAGA治療を始めたい方は、ぜひご覧ください!

続きを見る

発毛・育毛効果が期待できるミノキシジル(外用薬)

ミノキシジルは、発毛・育毛効果が期待できる外用薬です(内服薬もあります)。血管を拡張し、毛母細胞への栄養供給を向上させることで、髪の成長を促進します。

血管を可視化できる遺伝子改変マウスに5%ミノキシジルを約1か月間塗布し、皮膚血管の状態を顕微鏡下で観察しました。その結果、ミノキシジル塗布により、毛包周囲の毛細血管が増加しており、特に毛を作り出す司令塔とされ様々な発毛因子を分泌する毛乳頭細胞近傍の毛細血管密度が顕著に増加することが明らかになりました。

"発毛成分「ミノキシジル」に新たな作用メカニズムを発見~毛包周囲の毛細血管増加作用~". 大正製薬. 2023-09-01, (参照2023-10-01)

ただし、使用を中止すると得られた効果は失われてしまうことがあるため、継続的な使用が必要です。また、副作用として頭皮のかゆみや発疹が出ることがあるので注意しましょう。

なお、ミノキシジルはクリニックでの処方だけでなく、市販の育毛剤としても手に入ります。価格は製品によって異なりますが、1ヶ月あたり5,000円から15,000円程度です。

関連記事
【徹底解説】ミノキシジルの効果や副作用
ミノキシジルの効果を徹底解説!副作用はある?服用期間は?

ミノキシジルの効果や副作用を徹底解説!内服薬と外用薬の違い、いつから効果が現れるかについても紹介しています。ミノキシジルのことを全般的に知ったうえでAGA治療を始めたい方は、ぜひご覧ください!

続きを見る

AGAとはホルモンの影響によって起こる男性型脱毛症

AGAのメカニズムと症状

AGA、すなわち男性型脱毛症は主に男性に多く発症し、男性ホルモンの影響によって脱毛の症状が起こります。

ここでは、AGAの病理メカニズムや特に男性に見られる症状、そして治療の選択肢や治療薬の効果や副作用について解説していきます。

<AGAの病理メカニズム>男性ホルモンが毛母細胞に影響して髪の成長を妨げる状態

AGAの病理メカニズムは、男性ホルモンが頭皮の毛母細胞に影響を与え、髪の成長を妨げることに主に起因しています。

具体的には、テストステロンが5αリダクターゼという酵素の作用により、ジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、DHTが毛母細胞に結合し、毛髪の成長期が短縮されます。

また、遺伝やホルモンバランスも影響を与える要因だと考えられているため、このメカニズムを理解することで、内服薬などのAGA治療薬の選択や、適切な治療方法の選定に役立つことでしょう。

<AGAの症状>額の生え際や頭頂部の薄毛・抜け毛や全体的に毛が細くなる

AGAの症状は、初期段階では額の生え際や頭頂部の薄毛が見られ、抜け毛が増加し頭皮が目立つようになります。

また、全体的に毛が細く弱くなることも一般的な症状として挙げられます。これらの症状は自信喪失やストレスの原因となり得るため、早期に適切な治療を始め、症状の進行を遅らせることが大切です。

治療の際には症状の分類や程度を考慮し、効果や副作用、費用などを検討しながら医師と相談し、適切な治療薬を選択しましょう。

AGAの9つの進行パターン

AGAの進行パターン

AGAの進行は、ハミルトン・ノーウッド分類に基づいて9つのパターンに分類され、それぞれのパターンで薄毛の進行度や症状が異なります。

I型薄毛の症状はほとんど見られない。
II型額の生え際が少し後退し始める。
II vertex型頭頂部がわずかに薄くなり始める。
III型額の生え際の後退が顕著になり、薄毛が明らかになる。  
III vertex型頭頂部が薄くなり始める。
IV型額の生え際と頭頂部の薄毛が進行し、両者が近づき始める。 
V型額と頭頂部の薄毛がさらに進行し、薄毛の範囲が広がる。 
VI型額の生え際と頭頂部の薄毛領域が結合し、薄毛の範囲がさらに広がる。
VII型頭頂部と額のほとんどが薄くなり、側頭部と後頭部にのみ髪が残る。

ご自身の状態を適切に把握し、適切な治療方法の選択に役立てていきましょう。

当てはまったら要注意!AGAのセルフチェック

AGAの診断基準リスト

AGAのセルフチェックは、自身の薄毛の状態や進行度を把握するための重要な方法で、症状の早期発見・治療に繋がります。

以下のAGAセルフチェックリストと照らし合わせながら、早期にAGAの兆候を察知していきましょう。

1. 頭頂部の薄毛頭頂部の髪が薄くなり、地肌が見えやすくなっている
2. 額の生え際の後退髪の生え際の髪が後退し、M字型やU字型になっている
3. 抜け毛の増加 枕やシャンプー時、ブラッシング時に以前よりも多くの髪が抜けているる
4. 髪の太さの減少髪髪の毛が細くなり、太さが減少している                           
5. 髪のボリューム減少 髪全体のボリュームが減少し、スタイリングがしにくくなっている
6. 家族歴父親や祖父、兄弟に薄毛や抜け毛の経験があるか

ただ、セルフチェックの結果だけでは正確な診断が難しい場合もあるため、分類や診断基準に基づく医師による詳細な診断が必要です。

AGA治療薬の副作用と注意点

AGA治療薬の副作用と注意点

AGA治療薬は効果的な一方、副作用や注意点も確実に存在します。

AGA治療薬の選択にあたっては、内服薬や外用薬の特性や安全性、メリットだけでなくデメリットも十分に理解しておきましょう。

副作用はかゆみ・皮膚の赤み・性欲減退・勃起障害・頭痛・心臓への影響など

AGA治療薬の副作用として、かゆみや皮膚の赤み、性欲減退、勃起障害、頭痛、そして心臓への影響などが含まれます。

これらの副作用は、使用する治療薬の種類や個人の体質によって異なりますので、治療を開始する前には、十分な情報収集を行い、医師との詳細な相談を重ねる必要があります。

万が一何らかの副作用が現れた場合には、速やかに治療を中止し、医師の指導を仰ぐことが重要です。

副作用の少ない治療薬は統計データで比較可能

副作用のリスクを最小限に抑えるためには、治療薬の選定が重要です。

各治療薬、特に内服薬と外用薬の副作用発生率の統計データが発表されています。これらの情報を基に、最も安全性が高く、自身に適した治療薬を検討しましょう。

治療薬名副作用の発生率 (%)主な副作用
フィナステリド1.8性欲減退、勃起障害、精液量減少
ミノキシジル4.0皮膚刺激、頭痛、心拍数増加
デュタステリド2.0性欲減退、勃起障害、乳房の腫れ

ただし、統計データだけではなく、医師の専門的な意見や、他の患者の実際の体験談も重要な参考資料となるため、併せて考慮することが大切です。

副作用が出た場合はすぐに医師に相談しよう

副作用が現れた場合、その対処法を正確に知るためにも、速やかに医師の診察を受けることが極めて重要です。

医師の監修のもと適切なアドバイスや対処法を得ることで、内服薬や外用薬の安全性を確保し、健康被害を最小限に抑えることに繋がります。

自己判断で治療薬の量を変更したり治療を中断したりすることは避け、全ての治療行為は医師の指導と監修のもとで行いましょう。

AGA治療薬は種類や入手方法によって費用が変化

AGA治療薬の入手方法と費用

AGA治療薬の選択においては、種類や入手方法によって平均的な費用が安いものから高いものまで大きく変わります。

この点をしっかりと理解し、自身のライフスタイルや経済状況に合わせて、最適な治療薬を選んでいきましょう。

信頼性を求めるならクリニック・費用の安さを重視するなら通販

信頼性と安全性を重視する方は、クリニックでの診断と処方を選ぶと良いでしょう。クリニックでは専門の医師による詳細な診断と適切なアドバイスが受けられ、安心して治療を進められるのが特徴です。ただし、クリニックでの治療は通販や個人輸入に比べて費用が高くなる可能性があります。

一方で、費用を抑えたい方は信頼性のある通販サイトや個人輸入代行サービスを利用すると良いでしょう。これらの方法ではクリニックよりも低価格で治療薬を購入できることが多いですが、偽物や劣悪品のリスクも考慮し、信頼できるサイトを選ぶ必要があります。

クリニックと通販の特性や違いを理解し、自身の状況に適切な方法を選びましょう。

ジェネリック医薬品は費用を抑える1つの選択肢

ジェネリック医薬品は、オリジナルの医薬品と同等の効果を持ちながら価格が抑えられているため、費用を節約したい方には適した選択肢です。

ジェネリック医薬品は品質や効果についても厳しい試験をクリアしているため、安心して利用できます。

ジェネリック医薬品の薬価が安いのは、品質が劣るからではなく、研究開発費等が先発医薬品ほどかからないためです。

厚生労働省. ジェネリック医薬品への疑問に答えます. ジェネリック医薬品 Q&A, 2012.

AGA治療薬についてのよくある質問

健康保険は適用されますか?

AGA治療は、健康に直接的な危険をもたらす病気ではなく、美容治療の一環として分類されます。このため、治療にかかる費用は健康保険の適用を受けることができず、全額自己負担となります。

薬をやめたらどうなりますか?

AGA治療薬の服用を中止すると、得られた治療効果や改善された症状が徐々に元に戻る可能性があります。

なぜなら、AGA治療薬が発毛を促進させる一方で、脱毛の根本的な原因を解消するわけではないためです。そのため、症状の改善を持続させるにも、治療薬の継続をおすすめします。

薬以外にAGAを治療する方法はありますか?

AGAの治療としては、薬以外にも様々な方法が存在します。髪の移植手術やレーザー治療など、多くの治療法が開発されており、それぞれのニーズや症状に合わせて選択できます。
また、特定のシャンプーや育毛剤なども、一定の効果が報告されており、これらの製品を利用することで、AGAの症状の改善が期待できるでしょう。

まとめ:AGA治療の鍵は継続と信頼できる医師選び

aga治療薬まとめ

AGAの治療においては、適切な治療薬の選定とその継続、そして信頼できる医師による正確な診断と処方が極めて重要です。

治療薬にはそれぞれ異なる効果や副作用があるため、個々の症状や体質に適切なものを選ぶ必要があります。

信頼性のある医師からの適切なアドバイスと処方によって、治療の効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小限に抑え、AGAを治療していきましょう。

この記事の監修医師

監修医師 川島 峻(かわしま しゅん) 新宿アイランド内科クリニック 院長

  • hp
医師、医学博士。横浜市立大学医学部、東京大学大学院医学系研究科卒業。 虎の門病院、東大病院心臓呼吸器外科、Brigham and Women's Hospitalなどで勤務。現在、新宿アイランド内科クリニック院長として幅広い世代に対して内科疾患、予防医療を中心に診療している。専門科は呼吸器科、アレルギー科、皮膚科、AGA。呼吸器専門医、胸部外科専門医会員、呼吸器外科専門医、外科専門医、がん治療認定医。
  • この記事を書いた人
伊藤 真実(Ito Mami)

伊藤 真実(Ito Mami)

健康・医療・美容ジャンルを得意とするライター。自ら施術やカウンセリングを受けて比較検証。さらに、専門的な知識を持つ医師への取材を重ね、信頼性の高いコンテンツ作りを心掛けている。