近年、全国的に増加している感染症として注目されている梅毒。治らないというイメージもあるかもしれまんが、適切な知識と早期の対応があれば完治する可能性が高い性病でもあります。
この記事では、梅毒の初期症状、感染経路、治療方法などを徹底解説します。自分の健康を守るため、そして大切な人を守るための第一歩として、正しい知識を身につけましょう。
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梅毒とは?梅毒トレポネーマによって引き起こされる性感染症
梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性感染症です。性行為を通じて感染することが一般的ですが、妊娠中の母親から胎児への感染や、血液を介して感染することもあります。
第1期から第4期までのステージがあり、第1期では陰部や口に痛みのないできものやしこりができる程度ですが、第4期では神経麻痺などが生じ日常生活が困難になるなど、命に関わるケースも存在します。
治療では、ペニシリン系の抗生物質の投与が行われ、治療を受けることで完治する病気です。なお、抗生物質の種類や期間は、感染の段階や症状の重さによって異なります。
梅毒の症状の経過を写真付きで詳しく解説
ここでは、潜伏期間及び、第1期から第4期まである梅毒のステージごとの特徴や症状を経過写真付きで詳しく紹介します。
潜伏期間は6週間が目安
梅毒の感染後、最初の症状が現れるまでの期間を潜伏期間と言います。潜伏期間は平均で6週間とされていますが、最短で何日後に症状が出るかは人によって異なり、症状なしの場合もあります。
感染力が高まるタイミングや、いつから他の人にうつるのかを知るため、疑わしい症状があれば早急に検査を受けるようにしましょう。
第1期(3週間〜):陰部や口に痛みのないできもの・しこりができる
梅毒の初期症状として、感染部位にしこりやできもの、特ににきびのようなものが現れることが多く、感染後3週間から3ヶ月の第1期に出現することが一般的です。
男性や女性の陰部、口の中、そして口の周りに痛いかゆみを伴うことなく現れることもあり、抜け毛の問題も報告されています。
接触部位の皮膚や粘膜にしこりやできものが生じる
感染した部位には、しこりやにきびのようなできものが現れます。梅毒トレポネーマが皮膚や粘膜に感染し、炎症を引き起こすのが特徴です。
しこりやできものが潰瘍やびらんに進行
放置すると、しこりやできものは潰瘍やびらんに進行してしまい、口内炎やヘルペスのような症状も現れることがあります。これには、皮膚の表面が傷つき、中の組織が露出することが考えられるためです。
足の付け根あたりのリンパ節が腫脹する
感染部位の近く、特に太ももや足の付け根あたりのリンパ節が腫れることがよく見られます。感染がリンパ節に影響を及ぼしている可能性が高いです。
第2期(3ヶ月〜):バラ疹や扁平コンジローマなどの発疹が全身に広がる
第1期の症状が出現後、およそ3ヶ月で第2期に突入します。第2期では赤い斑点やあざ、跡、さらにはイボのような症状が現れることがあり、特に足の裏や背中に斑点が徐々に増えていく様子が見られます。
症状が見られなくなることもありますが、抗菌薬での治療をしない限り梅毒トレポネーマは体内に残っており、再発のリスクも考えられるので注意が必要です。
第3期(3年〜):骨や筋肉にゴム腫(硬いしこり)を形成
梅毒の感染がさらに進行すると、第3期に突入します。
感染から3年から10年の間に症状が現れることが多く、鼻や他の部位にゴム腫と呼ばれる変化が見られることも。見た目にも特徴的な症状で、早期の対応が求められる状況となります。
第4期(10年以上経過):神経麻痺などが生じ日常生活が困難になる
梅毒の感染が最も進行すると、第4期に突入します。
感染してから10年以上経過した後に現れることが多く、脳や心臓への影響で神経麻痺などが生じ日常生活が困難になり、最悪死に至る可能性が考えられます。
梅毒の2つの感染経路
ここからは、梅毒の主な感染経路に焦点を当てて詳しく解説します。
①感染者の病変部と皮膚や粘膜の接触による接触感染(キスや性行為)
梅毒の最も一般的な感染経路は、感染者の病変部と皮膚や粘膜の接触によるものです。
キスや性行為を通じて、感染者の唾液や体液が健康な人の粘膜や傷口に触れることで感染が広がることが知られていますが、素手で相手の性器に触れるなどでも感染します。
ただし、握手や咳、くしゃみ、トイレの便座の使用や食器の共有などの日常生活では感染することはありません。
②母親から胎盤を介して胎児にうつる母子感染
梅毒のもう一つの感染経路として、妊娠中の女性が梅毒に感染すると、母子感染のリスクが高まります。つまり、母親から胎盤を介して赤ちゃんへと感染が広がる可能性が考えられるわけです。
梅毒は子供の成長や健康に影響を及ぼすことが知られており、妊娠を希望する女性や妊娠中の方は特に注意が必要となります。
梅毒の検査方法は2種類
梅毒の増加がニュースで取り上げられる中、「自分も感染しているかもしれない」と心配になった方もいるのではないでしょうか。
ここでは、梅毒の主な2つの検査方法を解説します。
①病院を受診して血液検査や医師の診察を受ける
1つ目の梅毒の検査方法は、病院での検査です。信頼性が高く、採血を行って梅毒の菌が体内に存在するか定性検査で確認します。
ただし、感染してから検査が反応するまでのウインドウピリオドと呼ばれる期間を考慮する必要があります。なお、エイズと同様に即日検査の選択も可能です。
②検査キットを用いて自宅で検査をする
2つ目の梅毒の検査方法は、検査キットを用いた自宅での検査です。
自宅で簡単に梅毒の検査ができる検査キットを利用すれば、自分の都合の良い時間に手軽に検査が可能です。しかし、時折偽陰性の結果が出ることもあるため注意しましょう。
早期治療で梅毒は治る可能性大!主な治療法は抗菌薬(ペニシリン)の投与
梅毒は早期に治療を開始すれば、完治する可能性が高い病気です。ペニシリン系の抗菌薬が用いられており、サワシリン(アモキシシリン)や、ペニシリンにアレルギーがある場合にはミノサイクリンなども治療に使われます。
梅毒の治療薬は、医師の処方が必要なため、ドラッグストアなどで売られている市販薬では手に入れることができません。なお、治療の費用は保険適用の範囲内です。
ただし自然に治る病気ではありません。放置すると症状が進行するだけでなく、パートナーへのピンポン感染のリスクや、不妊の原因となることも考えられるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
梅毒を予防!不特定多数との性行為を避ける
梅毒の感染経路の中で、最も一般的なのが性行為を通じた感染です。特に、不特定多数との性行為は、感染リスクを高める大きな要因となるため、避けるようにしましょう。
また、性行為時のコンドームの着用も感染リスクを低下させる効果があります。ただし、必ずしも100%の予防になるわけではないため、過信しすぎないようにしましょう。
梅毒は性感染症のため、再感染や他の性感染症の感染を防ぐためにも、適切な予防策やパートナーとのコミュニケーションが重要です。定期的な検査や避妊具の使用など、予防方法をしっかりと実践しましょう。
梅毒に関するよくある質問
梅毒に一度感染すると血液中に一生細菌が残りますか?
梅毒は、適切な治療を行えば病原体を体から取り除くことができます。ただし一度治癒したからといって油断せず、再感染しないよう注意が必要です。
アルコール消毒は意味がありますか?
アルコール消毒では、梅毒の感染を防ぐ効果は期待できません。
お風呂のお湯やトイレの共有などで家族にうつる可能性はありますか?
梅毒の主な感染源は性的接触であり、温泉やお風呂での共用水やウォシュレットによる感染の事例は確認されていません。
ただ、トイレの便座や浴室の座席など、肛門が触れる場所を通じての感染リスクは考えられるため、使用する前に清潔に保つことが大切です。
おりものの匂いがきつい場合は、梅毒の感染の可能性がありますか?
おりものの匂いの変化は、梅毒の特徴とは言えません。そのような症状がある場合、他の性感染症の可能性を考慮しましょう。
梅毒を疑ったら何科を受診したら良いですか?
梅毒の疑いがある場合、皮膚科や泌尿器科で診察を受けることが大切です。また、地域によっては保健所での無償検査サービスも提供されていることがあるので、利用を検討してください。
いつから性行為ができますか?
梅毒の治療中は、他者への感染を防ぐため、医師が完治と判断するまで性行為を控えることが必要です。
まとめ:梅毒は早期発見・早期治療をすることで完治する!梅毒を疑ったらすぐに受診しよう
梅毒は性感染症の中でも重篤な病気ですが、早期発見・早期治療をすることで完治する性病です。
適切な予防や検査を行い、パートナーともコミュニケーションをとったうえで、自身の健康に対する意識を高めていきましょう。