顔面けいれん〔がんめんけいれん〕 家庭の医学

【症状】
 眼や頬(ほお)、口の周囲などが不規則にピクピクと動く疾患で、眼瞼けいれんチック症とは異なる疾患です。40歳代の女性に多く、通常は片側だけに起こります。

【原因】
 顔面神経の根元が脳内の血管に接触して、異常に興奮することが原因といわれています。また、精神的緊張によって出現することがあります。

【治療】
 症状をやわらげる目的で、抗不安薬などの内服をおこないますが、効果は一時的です。近年では、神経・筋肉をまひさせる目的でボツリヌス毒素の注射がおこなわれていますが、3~9カ月で効果はなくなります。
 根本的な治療は神経減圧手術です。これは、耳のうしろを切開して、顔面神経の経路を移動させる手術です。

【参照】脳・脊髄・末梢神経・筋の病気:顔面けいれん

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)
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