悪性腫瘍、腫瘍切除後の再建外科 家庭の医学

 悪性腫瘍を手術で切除した場合、大きな組織欠損を生じることがあります。その結果、重大な機能障害や外見上の変形が残ります。また、外傷や放射線治療などのあとにも、同じような組織欠損が起こることがあります。
 いろいろな原因で組織欠損を生じた場合には、形成外科による治療法を用いて、組織の再建をおこないます。再建の方法は組織欠損の程度によって異なります。皮下脂肪までの欠損の場合は、植皮術やテッシュエキスパンダーなどが用いられます。いっぽう、筋肉・腱・骨などの深い組織の欠損を伴う場合は、皮弁による再建が一般的です。

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)