治療・予防

早期治療開始が改善のカギ=特発性・遺伝性肺動脈性肺高血圧症

 ◇薬物療法の中断は厳禁

 一昔前はPAHの有効な治療法はなかったが、1990年代後半から治療薬が相次いで開発された。主な治療薬は①プロスタサイクリン(PGI2)製剤②エンドセリン受容体拮抗薬③ホスホジエステラーゼ5阻害薬―の3種類。血管を広げる作用のあるこれらの薬剤を組み合わせるが、とりわけ重要なのがPGI2製剤エポプロステノールの持続静注療法だ。大郷医師は「この薬を早めに治療に取り入れることが、改善を目指す上で大切です」と強調する。

 PAHの治療で注意すべきなのは、薬物療法を中断してはいけないということ。中断すると急激に症状が悪化し、生命に関わる危険がある。また、1年に1回は循環器専門病院に入院して、定期検査を受ける必要がある。治療の進歩で、発症しても普通の生活を送ることも可能になった。「そのためには、早期に診断を確定させ、治療を開始することが何より重要です」と大郷医師は話す。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

  • 1
  • 2

新着トピックス