ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術費用はいくら?料金相場や保険適用されるのか解説

【徹底解説】ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術費用

2024年9月18日

ASUCAアイクリニック仙台マークワン主任執刀医 野口三太朗

監修医師 野口 三太朗(のぐち さんたろう)

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2006年、東北大学医学部卒。複数の病院で腕を磨き、2021年に大阪大学大学院博士課程修了。2022年、ASUCAアイクリニック仙台マークワン主任執刀医に就任。 数万件に上る執刀経験を持ち、海外からの情報をいち早く取り入れ、治療に活かしている。世界初、日本発という臨床研究を多く手がけ、最新技術の導入に努める。

ICL手術は、目の中にコンタクトレンズのような薄いレンズを挿入することで、近視・乱視・遠視などを矯正する最新の技術です。「メガネやコンタクトレンズを卒業したい」「裸眼で生活したい」と考えている方には、魅力的な治療法だといえるでしょう。

この記事では、ICL手術の費用や料金相場、保険が適応されるかを詳しく解説します。また、費用を安く抑えるコツやよくある質問への回答もしています。ICL手術を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

ICLとは?目の中にレンズを挿入し乱視・近視・遠視を矯正する手術

ICL手術とは

ICLとは「Implantable Contact Lens」の略称で、眼内コンタクトレンズとも呼ばれます。特殊なレンズを目の中に挿入し、近視や遠視、乱視などの屈折異常を矯正する治療法です。

ICL手術は、角膜にほとんど傷をつけずに行えるのが特徴です。角膜を削らず、極小の切開創からレンズを目の中に挿入し、視力回復を図ります。レーシック手術と異なり、ICLは高度な近視や乱視にも効果的です。

将来的に白内障手術が必要になった場合でも、簡単にレンズを取り出せます。これにより、白内障への影響を最小限に抑えられるでしょう。また、ICL手術では度数の調整も行われ、患者さんの状態に合わせた最適な視力回復が期待できます。

ICL手術の費用相場は40万円~80万円

ICL手術の費用相場

ICL手術の料金は、手術する病院やクリニックによって異なりますが、概ね40万円~80万円程度の費用相場となっています。詳細な内訳を見ると、レンズ代が20万円前後、手術代が20万円前後となるのが一般的です。

レンズ代は高度近視ほど高くなる傾向があり、また付加機能のある高機能レンズを選択した場合にも高くなります。このほか、検査代や薬代、保護メガネ代、アフターケアの費用などが内訳に含まれます。

ICL手術の費用は保険適用されないため全額自己負担

ICL手術は保険適用外

ICL手術は自由診療のため、公的医療保険の対象ではありません。近視などの屈折異常自体が、疾病とは認定されていないためです。したがって、手術費用の全額が自己負担となります。

ICL手術の費用を安く抑える2つのコツ

ICL手術を安くする方法

ICL手術を検討中の方の中には、高額な手術費用が問題になっているケースもあるのではないでしょうか。ICL手術の費用を安く抑えるコツは、以下の2つです。

  1. 確定申告して医療費控除を受ける
  2. 保証制度が充実しているクリニックで手術を受ける

これらの方法を活用すれば、ICL手術にかかる費用の負担を少しでも軽減できるかもしれません。それぞれ解説していきます。

①確定申告して医療費控除を受ける

ICL手術は保険適用外ですが、確定申告の医療費控除を利用することで、納税額を減らせる可能性があります。医療費控除とは、支払った医療費に応じて受けられる所得控除です。

1年間で10万円(総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%)以上の医療費がかかっているなどの条件がありますが、納税額を数万円単位で軽減できるかもしれません。また、診療内容によっては、さらに控除を受けられる場合もあるでしょう。

②保証制度が充実しているクリニックで手術を受ける

保証制度が充実しているクリニックを選べば、万が一のときにも費用を安く抑えられます。複数のクリニックを比較検討し、術後の追加手術などが必要になった際の保証制度が手厚いところを選ぶのがおすすめです。

例えば、術後の視力が思わしくなかった場合に再手術を無料で行ってくれるクリニックであれば、予期せぬ追加料金を抑えられるでしょう。

ICL手術の費用はコンタクトレンズを10年間購入し続けるよりも安い!

ICL手術はコンタクトレンズ10年分より安い

コンタクトレンズを10年間購入し続けると、総額で40万円前後かかる計算になります。一方、ICL手術の費用は40万円~80万円程度と高額ですが、一度手術をすれば挿入したレンズは半永久的に使用可能です。

したがって、長期的に見ればICL手術の方がお得な選択になるといえます。手術に踏み切れない要因の1つとして費用があると思いますが、この視点で考え直すと、決断しやすくなるのではないでしょうか。

ICLで使用しているレンズは、生体適合性の高い素材のため、半永久的に使用可能で、経年変化で目の中でくもったり破れることはありません。

引用:先進会眼科

ICL手術の診察から手術までの流れ

ICL手術の流れ

ICL手術を受けるまでの流れは大きく3つです。

  1. 適応検査とカウンセリング
  2. ICLの手術(20分~30分)
  3. 定期健診(術後翌日・3日後・1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後)

それぞれ詳しく解説します。

①適応検査とカウンセリング

ICL手術を検討している方は、まず眼科で適応検査を受けなければなりません。角膜の状態などを検査し、その結果をもとに手術の可否が決まります。

医師は患者さんの目の状態に応じた対応を提案し、必要な手続きや予約の方法についても説明します。検査は電話やオンラインで予約可能です。

②ICLの手術(20分~30分)

ICL手術当日は、瞳孔を開くための点眼を行ってから医師の診察を受けます。手術は局所麻酔で実施され、所要時間は患者さんの状態によって異なりますが、通常20〜30分程度です。

③定期健診(術後翌日・3日後・1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後)

術後、患者さんはクリニックへ定期的に来院し、回復状況をチェックします。特に術後1週間は、感染症などの早期発見に重点を置いたフォローアップが重要です。視力の度数変化に対応するため、数ヶ月にわたって継続的な健診が必要となります。

ICL手術の費用に関するよくある質問

ICL手術の費用は分割払いができますか?

ICL手術の費用は、選んだクリニックが医療ローン、院内分割、またはクレジットカードの分割払いに対応している場合、分割して支払うことができます。

ICL手術の費用はなぜ高いんですか?

ICL手術の費用が高額なのは、保険適用外でクリニックが料金を自由に設定できるためです。ただし、医療費控除を利用することで、確定申告を通じて費用の一部が戻ってくる可能性があります。

ICL手術ができないケースは?

ICL手術を受けられないのは、重度の緑内障が疑われる方、過去1年間で大きな視力の変化があった方、18歳未満の方などです。これらの条件は、手術の安全性や効果に影響を与える可能性があるため、慎重な判断が必要となります。

ICL手術を受けたら何日休まなくてはいけませんか?

ICL手術後、翌日は休みを取りましょう。デスクワークなどの軽度な仕事は手術後2日目から可能です。身体を動かしたり汗をかいたりするような仕事については、手術後3日から4日間の休暇を取るように多くのクリニックで説明されています。

ICL手術後に白内障になるリスクはありますか?

 ICL手術が白内障を直接引き起こすことは基本的にありません。白内障は主に加齢が原因です。従来のレンズは水晶体の混濁につながる可能性がありましたが年々改良されており、現在は白内障のリスクは大幅に軽減されています。

ICL手術とレーシックの違いはなんですか?

ICLとレーシックの最大の違いは、手術の方法です。ICLは角膜にメスを入れることなく、虹彩の内側にレンズを挿入するのに対し、レーシックは角膜そのものを削って視力を矯正します。

ICLにリスクはありますか?

ICLのリスクには、「レンズが合わない」「ハロー・グレア」「感染症」などがあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

まとめ:ICL手術の費用相場は40万円~80万円!確定申告をして安く受けよう

【徹底解説】ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術費用のまとめ

ICL手術の平均的な費用は、40万円〜80万円程度と高額です。しかし、医療費控除の対象であるため、確定申告をすることで税制面で優遇を受けられるのはメリットでしょう。また、長い目で見ると、コンタクトレンズを購入し続けるよりもお得になることが多いです。

ICL手術を検討中の方は、複数のクリニックを比較し、費用対効果の高いところで手術を受けることをおすすめします。保証制度や支払い方法などはクリニックによって異なるため、気になる方はまずは相談してみてくださいね!

この記事の監修医師

ASUCAアイクリニック仙台マークワン主任執刀医 野口三太朗

監修医師 野口 三太朗(のぐち さんたろう)

  • hp
2006年、東北大学医学部卒。複数の病院で腕を磨き、2021年に大阪大学大学院博士課程修了。2022年、ASUCAアイクリニック仙台マークワン主任執刀医に就任。 数万件に上る執刀経験を持ち、海外からの情報をいち早く取り入れ、治療に活かしている。世界初、日本発という臨床研究を多く手がけ、最新技術の導入に努める。
  • この記事を書いた人
伊藤 真実(Ito Mami)

伊藤 真実(Ito Mami)

健康・医療・美容ジャンルを得意とするライター。自ら施術やカウンセリングを受けて比較検証。さらに、専門的な知識を持つ医師への取材を重ね、信頼性の高いコンテンツ作りを心掛けている。