AGA(男性型脱毛症)の治療を受けたいと思っているものの、効果がいつ出るのか、副作用はないか、そして何より「いつまで続けるべきなのか」そんな疑問や不安をお持ちではないでしょうか?
この記事ではAGA治療のデメリットに焦点を当て、治療の内容や費用、副作用のリスクなど考慮すべきポイントを詳しく解説します。
AGA治療のメリットだけではなくデメリットや注意点もしっかりと把握して、より賢く治療を選択しましょう。
目次
AGA治療のデメリットは副作用や長期間の通院による高額な治療費!
AGA治療にはデメリットが存在します。
ここでは治療を始める前に知っておくべき具体的なデメリットを解説します。
①治療薬の副作用
どの薬にも副作用は存在しますが、AGA治療薬にも副作用があります。
AGA治療薬には、性欲減退や勃起不全といった男性機能への影響や頭皮の炎症やかぶれなど、様々な問題を引き起こす可能性があるため、医師としっかり相談して自分に合った治療薬を選びましょう。
②初期脱毛が発症する
治療を始めたばかりの頃は抜け毛が増えることがあります。これは「初期脱毛」と呼ばれ、脱毛症の治療においてよく見られる現象です。
内服での治療では1〜2ヵ月で落ち着つくケースがほとんどですが、AGA治療をしているのに髪が抜けていくという事実から、その期間は精神面で不安を感じてしまうこともあるでしょう。
③通院に時間がかかる
AGA治療は短期間で終わるものではありません。多くは数ヵ月以上、場合によっては数年の通院が必要です。
そのため、通院にかかる時間と交通費も考慮する必要があります。
④効果を実感するのに時間がかかる
AGA治療の効果を実感するまでの時間は、少なくとも3〜6ヵ月はかかります。
短期間で効果を実感することは難しく、根気よく継続して治療を続ける必要があります。加えて、継続したからといって必ず効果が得られるとは限らない点にも注意が必要です。
⑤効果に個人差がある
AGA治療の効果は人それぞれです。必ずしも治療を受けた全員に効果があるわけではありません。
そのため、高額な治療費を払っても効果がない、期待したほどの効果が得られない可能性もあります。
⑥毎月の治療費用がかかる
AGA治療は保険適用外で自費診療のため、1回の治療で1万円〜5万円、場合によってはそれ以上かかることもあります。
経済面での負担も考慮しながら治療を進めていく必要があります。
AGA治療薬の副作用は男性機能の低下や多毛症などさまざま
AGA治療薬には様々な副作用があります。治療を始める前に副作用のリスクをしっかりと理解しておくことが大切です。
ここでは具体的な副作用について詳しく解説します。
①性欲低減や勃起不全(ED)などの男性機能の低下
AGA治療薬の中には、男性機能に影響を与えるものがあります。
例えば、フィナステリドという内服薬は、男性ホルモンの作用を抑えるため性欲低減や勃起不全(ED)を引き起こす可能性があります。このような症状が出た場合、医師との相談が必要です。
内服薬の選択には慎重な判断が求められるため、副作用のリスクもしっかりと考慮しましょう。
リビドー低下やEDは年齢と共に罹患率が上がることが知られており、 40歳以上のアジア人の調査において、 性欲減退の発生率は6.0~38.7%、 EDの発生率は40.6~70.0%と報告されている。
栁澤正之, et al. 男性型脱毛症の日本人男性 532 症例におけるフィナステリド治療についての長期間 (10 年間) 有効性調査.
②かゆみ・かぶれなどの頭皮のトラブル
頭皮に直接塗布する外用薬には、かゆみやかぶれといった副作用が出る可能性があります。
外服薬として使用されるミノキシジルという成分が含まれる薬は、稀に頭皮のトラブルを引き起こすことがあります。
ミノキシジルの有害事象として,男女を通して瘙痒,紅斑,落屑,毛包炎,接触皮膚炎,顔面の多毛などが 報告されている.
眞鍋求, et al. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版. 日本皮膚科学会雑誌, 2017, 127.13: 2763-2777.
③吐き気・食欲不振などの肝機能障害
一部のAGA治療薬は、肝機能に影響を与える可能性があります。
吐き気や食欲不振などの症状が出た場合は、すぐに医師に相談することが重要です。
フィナステリドの副作用に関して(中略)重要な副作用として,頻度は明らかではないが,まれに肝機能障害があらわれることがある.
眞鍋求, et al. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版. 日本皮膚科学会雑誌, 2017, 127.13: 2763-2777.
④多毛症と呼ばれる体毛増加
多毛症とは、体毛が通常よりも多く生える状態を指します。この症状は、一部のAGA治療薬の副作用として現れる可能性があります。
外用薬やミノキシジルなど一部の内服薬が、体毛の増加を促す作用を持つことが報告されています。
多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は 少なく,内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄に, 胸痛,心拍数増加,動悸,息切れ,呼吸困難,うっ血 性心不全,むくみや体重増加などの重大な心血管系障 害が生じるとの記載がある.
眞鍋求, et al. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版. 日本皮膚科学会雑誌, 2017, 127.13: 2763-2777.
⑤気分の落ち込みやうつ病
AGA治療薬として使用される内服薬のフィナステリドなどは、心的な副作用を引き起こす可能性が指摘されています。
AGA治療はただ髪の問題を解決するだけでなく、心の健康にも影響を与える可能性があるため、治療を受ける際には心身共に健康状態を考慮することが重要です。
45歳未満の患者の脱毛症に対するフィナステリド使用に関連する自殺傾向、うつ病、不安の不均衡なシグナルを発見しました
NGUYEN, David-Dan, et al. Investigation of suicidality and psychological adverse events in patients treated with finasteride. JAMA dermatology, 2021, 157.1: 35-42.
AGAの治療期間はいつまで?
AGAの治療は、いつまで続けるべきなのでしょうか。
ここでは、AGAの治療期間について詳しく解説します。
AGAは完治しないため一生続ける必要がある
AGAは完治する病気ではありません。そのため、治療は一生続ける必要があり、進行を抑制することが主な目的となります。
中止した場合、症状が元に戻るリスクもあるため、長期的な計画と費用の準備が必要です。
一生薬を飲み続けるが薬を減らすこともある
AGA治療でよく用いられる内服薬や外用薬は、一生続ける必要があります。
しかし、症状が安定した場合や副作用が出た場合には、医師の指導のもとで薬の量を減らすこともあります。
一方で、薬を減らすと効果が低下する可能性もあるため、その判断は慎重に行う必要があります。
自力のAGA治療はおすすめしない!自己治療のデメリットとは
病院に行かずにAGAを治療することは、一見魅力的に思えるかもしれません。しかし、その裏には多くのデメリットが潜んでいます。
ここでは、自己治療のリスクについて詳しく解説します。
個人輸入の治療薬は効果がない場合や副作用の危険も
個人輸入で手に入れた治療薬は、効果がない場合や副作用の危険が高まる可能性があります。例えば、ミノキシジルの個人輸入品は1ヵ月あたり約3,000円と、クリニックで処方されるものよりも安価です。
しかし、安価に手に入る個人輸入品は品質が不明確な場合が多いです。副作用の危険性も高いため、安易に自分で判断せず、医師の診断のもと治療することをおすすめします。
AGAが原因ではない脱毛症の可能性がある
自己診断でAGAと判断して治療を始めると、他の原因による脱毛症を見逃す可能性が高まるため、専門の医師による診断が必要です。
AGA以外の脱毛症も考慮に入れ、その可能性を排除することで、より効果的な治療が可能となります。
自分の症状にあった治療がわからない
自力での治療では、自分の症状に最適な治療法を見つけるのは難しいです。AGAの症状は人それぞれ異なるため、一概には言えません。
内服薬や外用薬、さらには手術など、治療法は多岐にわたります。その選択を間違えると、治療費は無駄になるだけでなく、症状が悪化する可能性もあります。
クリニックの選び方でデメリットを軽減しよう!
AGA治療において、クリニックの選び方は非常に重要です。クリニックの選び方次第で治療のデメリットを大きく軽減することが可能です。
ここでは効果的なクリニックの選び方を紹介します。
オンライン診療で通院時間を解消
オンライン診療を利用することで、 通院にかかる時間削減することが可能です。
多くのクリニックでは、オンライン診療の診察代は無料で、治療代は実際の通院とほぼ同じ、約5,000円から10,000円。通院の手間とかかる時間を最小限に抑えたなら、オンライン診療の利用がおすすめです。
十分なカウンセリングで体質に合う治療方法を選ぶ
治療方法の選択は、体質や症状、さらには医師の判断によって大きく異なります。十分なカウンセリングを受けることで、自分に合った治療方法を選べます。
専門の医師と詳細に話すことで、副作用のリスクも考慮したうえで治療にあたれるでしょう。
料金比較をして治療代を安く抑える
治療費は、AGA治療の大きなデメリットでしょう。しかし、様々なクリニックの料金比較を行うことで、治療代を安く抑えることができます。
例えば、内服薬の処方箋はクリニックによっては月額2,000円から5,000円などと異なり、外用薬も同様に価格が異なります。
AGA治療のデメリットに関するよくある質問
AGA治療をやめるとどうなる?
AGA治療を中止すると、AGAは再び進行を始める可能性が高いです。なぜなら、AGA治療薬は主にAGAの進行抑制と発毛促進の効果しか持っていないからです。
ミノキシジルを使用していた場合、治療を中断すると3〜4ヵ月でその効果が失われ、抜け毛が増えることが多いと言われています。
AGA治療で効果を実感できるのはいつ?
ミノキシジルの内服治療の場合は、3〜6ヶ月で産毛が生えるなどの実感がある場合が多いです。
AGA治療を1~2年以上続けると、その治療で生える最大の毛量まで到達するため、減量を検討する時期としては適切です。
AGAは完治しない症状のため、薄毛改善の効果を維持したい場合は「休薬」ではなく「減薬」という選択が必要です。
副作用が起こる確率はどれくらい?
副作用が起こるのは全体の1~5%程度で、全ての人が発症するわけではありません。例えば内服薬のフィナステリドを使用した場合、約2%の人が性欲減退や勃起不全などの副作用を経験する可能性があります。
また、外用薬のミノキシジルでは約4%の人が頭皮のかゆみや発疹を報告しています。副作用が生じる原因としては、服用する人の体質や年齢に影響されることが多いとされています。
まとめ:正しい知識を持ってAGA治療をしよう!
AGA治療は一度始めたら短期間で結果を求めるのは難しく、継続が必要になります。しかし、そのためには正確な情報と計画が必要です。
副作用のリスクや費用、治療期間など、多角的に考慮して治療を進めることが最終的な成功に繋がります。
正しい知識を持ってAGA治療をしていきましょう。