コンドーム 家庭の医学

 日本でいちばん広く用いられている避妊法です。ラテックス(ゴムの一種。現在はラテックスフリーのものもある)でできたふくろ状のものを勃起(ぼっき)したペニスに装着して用いるもので、精液がコンドームに閉じ込められて腟(ちつ)内に入らないようにし、妊娠を防ぎます。性感染症の予防には有効といわれますが、いつもきちんと正しく使うことはむずかしく、また、正しく使用しているつもりでも妊娠する可能性は経口避妊薬(OC)などと比較してかなり高く、避妊の失敗率は2~18%です。いろいろな事情でコンドームを避妊法として選んだ場合は正しい使いかた(腟にペニスを挿入する前から必ず装着すること、射精後はコンドームがはずれないようにして陰茎を腟から抜き、コンドームをはずしてその入り口を結んで捨てること)を守りましょう。2つ重ねてコンドームを装着すると、かえってコンドームが破れやすくなり、避妊効果は下がります。
 コンドームの長所としては薬局やコンビニなどでかんたんに手に入るので手軽な避妊法であること、また性感染症の予防にもなることです。短所としては失敗率が高いこと、男性任せで、女性の意思だけで避妊がおこなえないことなどです。それでも基礎体温法などと組み合わせて利用すると避妊効果は増します。

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 名誉院長 安達 知子
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