胎位の異常―骨盤位(さかご)〔たいいのいじょう―こつばんい(さかご)〕 家庭の医学

 胎児は頭を先進して生まれてくることがふつうですが、おしり(場合により足)を先進して生まれてくることがあります。これが骨盤位分娩(こつばんいぶんべん)です。いわゆる、さかごです。
 頭よりも小さいおしりがさきに産道を下がってくるために、最後に出てくる児頭がつっかえて出にくかったり、臍帯(さいたい)が圧迫されて赤ちゃんの状態がわるくなることがあります。特に、さかごのなかでもおしりが先進するのではなく、もっとも小さい足がさきになって産道に入ってくると(足位)、産道はあまり広く開かず、児頭の通り抜けは難しくなります。また、破水(はすい)があると臍帯が下垂、あるいは脱出するという危険があり、この場合は胎盤からの血行が途絶え赤ちゃんの死につながります。
 したがって、最近ではあらかじめ帝王切開が選択されることがほとんどです。

【参照】妊娠:骨盤位(さかご)

(執筆・監修:恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院 名誉院長 安達 知子
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