厚生労働省は8日、海外での臓器移植後に国内の医療機関を受診した患者に関する実態調査結果を公表した。移植後に外来通院している患者は3月末時点で543人に上り、渡航先は米国が227人で最多だった。仲介団体が関与したのは25人だった。
 調査結果によると、通院する543人のうち、生体からの移植は42人で、死体が416人、不明は85人。臓器別では、腎臓250人、心臓148人、肝臓143人、肺2人だった。
 渡航先は米国のほか、中国175人、オーストラリア41人、フィリピン27人と続いた。国内を含めた移植後の通院患者数は3万1684人だった。
 同省担当者は「国際的な原則に基づけば国内で移植が完結することが重要。引き続き国内移植のための体制強化や国民の啓発を進めたい」と話した。 (C)時事通信社