2日にノーベル生理学・医学賞受賞が決まったカタリン・カリコ教授らの業績については、新型コロナウイルス対策に携わってきた国内の専門家からもたたえる声が上がった。
 東京医療保健大大学院の菅原えりさ教授(感染制御学)は、今回の受賞について「過去の成果ではなく、現在進行形の研究が評価された」と分析。コロナワクチン開発につながったカリコ氏の発明について「新型コロナの流行収束に貢献した」と強調した。
 菅原教授は「日本国内では感染拡大からわずか1年ほどで接種が始まった」と振り返り、ワクチン供給までの期間について「従来と比べ驚異的なスピードだった」と指摘した。
 カリコ氏は、研究費の打ち切りで渡米するなど不遇な日々を送ったことでも知られる。菅原教授は「日の目を見ない中でも長年研究を重ねてきたカリコ氏の業績と、彼女を支援した製薬企業の連携が、新型コロナワクチンの世界的な広がりにつながった」とたたえた。 (C)時事通信社