こども家庭庁は、増え続ける児童虐待の相談に対応するため、2024年4月に創設する認定資格「こども家庭ソーシャルワーカー」の普及に向け、児童相談所職員らが取得しやすい環境を整備する方針を固めた。資格取得には100時間以上の研修を受ける必要があり、受講する職員に代わって臨時職員を雇用する児相に対し、人件費を助成することなどを想定している。
 24年度予算概算要求に金額を示さない「事項要求」として盛り込む。新たな資格の取得を通じて職員の専門性を向上させ、子どもや保護者への適切な支援につなげたい考えだ。
 新資格の創設は、22年6月に成立した改正児童福祉法で規定。厚生労働省の有識者会議は今年3月、児相や児童養護施設、保育所などで子どもと接する仕事の経験がある人を資格取得の対象とすることを決めた。
 受験者は、社会福祉士や保育士など既に持っている資格や経験に応じて101~266時間の研修を受講。今秋にも発足予定の認定機関で試験を受け、合格すると取得できる仕組みだ。
 資格取得を促すため、有識者会議では、児相などへの人件費補填(ほてん)に加え、試験を受ける職員への受験料補助、資格を取得した職員の給与アップといったインセンティブを求める意見が出た。厚労省から児童虐待対応を引き継いだこども家庭庁は今後、具体的な支援の在り方を詰める。 (C)時事通信社