厚生労働省は29日、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」を使って医療機関を受診した際、医療費の窓口負担割合が誤って表示される事例が5695件あったと発表した。同日開かれた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会に報告した。同省が誤表示の件数を明らかにしたのは初めて。
 健康保険組合など全保険者を対象に7月から9月にかけて調査。全5695件のうち、誤った負担割合を入力するなど正しい事務処理手順が踏まれていなかった事例が4017件、システムの仕様に問題があった事例が1678件だった。
 誤表示が判明したものはすでに正しい割合に訂正済みとしているが、患者が窓口で誤った負担割合で支払った可能性は「否定できない」(保険局担当者)としている。 (C)時事通信社