大手旅行会社近畿日本ツーリストが新型コロナウイルスに関する受託業務を巡り自治体に過大請求していた事件で、神戸市は29日、同社に委託したコールセンター運営業務などで約830万円の過大請求があったと発表した。同社は事務的なミスと説明し、市側に返還する方針。市は返還請求を行う一方、業務に支障はなかったとして刑事告訴は見送るという。
 市によると、過大請求があったのは昨年9月から今年2月まで実施した、地場産業応援クーポンの企画、運営業務。電子クーポンを店頭で提示すると、県内で製造した靴やかばんなどが3割引きで購入できたという。
 市によると、約3億9000万円で同社と業務委託契約を結び、利用者らの問い合わせに対応するコールセンターなど事務局運営業務を依頼。同社は問い合わせ件数の減少に応じて、当初6人だったコールセンターの人数を段階的に減らすなどしていたが、請求には反映させていなかった。
 事件を受けた社内点検で判明。親会社のKNT―CTホールディングスは「計上ミスだった。返還請求に応じ、再発防止に努める」としている。 (C)時事通信社