愛知県豊橋市は2日、同市が運営する特別養護老人ホーム「つつじ荘」で、エアコンが故障したため、一部の入所者のベッドをロビーに移し、数週間生活させていたと明らかにした。間仕切りを設けずにおむつを交換するなどしており、家族にも伝えていなかった。市は高齢者虐待防止法に違反する疑いがあるとして調査を始めた。
 市によると、今年8月、2階の3室のエアコンが故障したため、70~80代の男性3人と、90代以上の女性1人のベッドを、エアコンが利く廊下に面したロビーに移動。修理が終わるまで約3週間、プライバシーを確保しないまま生活させ、間仕切りを設けずにおむつ交換などをしていた。
 昨年8~9月にも約4週間、同じ3室のエアコンが故障し、今回の3人を含む男女6人を同様にロビーで生活させていた。先月25日、外部から市に通報があり発覚したという。
 浅井由崇市長は記者会見し、「プライバシーへの配慮が欠けていた。家族に伝えなかったことも不適切だった」と謝罪した。ホームは1972年開設で定員50人。 (C)時事通信社