スポーツ庁は8日、2022年度の「体力・運動能力調査」の結果を公表した。同年度を含む最近10年間の体力テストの合計点(平均)を分析したところ、中学、高校、大学生など男子の一部年代で、新型コロナウイルス流行とほぼ同時期に低下傾向だったことが判明。専門家は感染拡大に伴う部活動などの活動制限が影響したとみている。
 調査は1964年から毎年行われている。今回は昨年5~10月、握力や反復横跳び、立ち幅跳びなどの項目について6~79歳の男女7万4194人を対象に実施。5万6365人(回収率76%)から回答を得た。
 同庁によると、体力テストの合計点(平均)について、最近10年間の推移を見たところ、成年(20~64歳)と高齢者(65~79歳)が男女ともに多くの年代で横ばいだった。一方、青少年(6~19歳)のうち、女子などが横ばいだったのに対し、中学や高校、大学生などに当たる年代の男子だけが、コロナ禍とほぼ重なる時期に低下傾向を示していたという。
 調査に協力した順天堂大大学院の内藤久士教授(運動生理学)は「運動部活動をしている年代が、新型コロナの感染拡大に伴う活動制限で大きな影響を受けたことが一つの理由ではないか」と分析している。 (C)時事通信社