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歯学から口腔医学へ―福岡歯科大学
~全身の健康守る歯科医師育成~


50周年記念講堂

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 ◇独自の助言教員制度や心のケア

 福岡歯科大学が開学当時から学生支援の一つとして導入しているのが助言教員制度だ。現在96人の学生を四つのグループに分け、各グループに教授、准教授、講師からなる教師陣が担当教員として学生を支援している。担当教員は学習面での支援やアドバイスのほか、欠席や体調不良といった生活面に関する相談にも応じている。さらに、専門のカウンセラーと連携して学生のメンタル面のサポートにも力を入れている。

 「学生が訪問しやすいように、診察室ではなく専用の部屋を設けています。さらに、教育を理解している心療内科の医師へつなぐことができるため、そこは当大学の強みの一つでもあります」

 髙橋学長は、これからの歯科医師は超高齢社会を背景に、従来の歯科治療に加えて高度な技術が必要になると強調する。

 「歯科の守備範囲は多様化、高度化しています。歯科医師には当然、知識と技術が必要となりますが、それに加えて、『目の前の患者さんを治したい』という気持ちがなければ治療になりません。歯科医師としての知識や技術だけではなく、人間的に優れた歯科医師の育成を目指しています」

 福岡歯科大学の学則の第1条には、開学当時から変わることなく、「有能な歯科医師を育成する」「歯学専門の学術を教授研究する」という文言が掲げられている。本館西側には1972年に建立されたという「むし歯地蔵」が安置されており、大学のさらなる発展を見守っている。(ジャーナリスト/美奈川由紀)

髙橋 裕(たかはし・ゆたか) 1981年福岡歯科大学歯学部卒業、89年歯学博士。福岡歯科大学助手、講師、助教授、有床義歯学分野教授を経て、2018年より現職。

【福岡歯科大学 沿革】
1972年 学校法人福岡歯科学園(現:福岡学園)寄附行為認可、福岡歯科大学設置認可
    73年 福岡歯科大学開学
    85年 福岡歯科大学大学院歯学研究科開設
2011年 福岡歯科大学口腔医療センター開設
    13年 歯学部歯学科を口腔歯学部口腔歯学科に名称変更
    20年 福岡歯科大学医科歯科総合病院 新病院開院

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