【ソウル時事】韓国で開催中のボーイスカウトの祭典「世界スカウトジャンボリー」の参加者が8日、南西部・全羅北道セマングムのキャンプ場から撤収した。韓国政府は「台風6号の上陸予想」を理由にしているが、熱中症患者が多数出たことを受け、世界スカウト機構が12日までの日程を短縮するよう求めていた。
 150カ国以上から集まった中高生ら約3万7000人をソウルなど8自治体128カ所の宿舎にバス約1000台で移送。韓国政府は11日にソウルの競技場に参加者を集め、閉会式に合わせ、当初の予定になかったKポップコンサートを行う予定だ。
 祭典は1日に開会したが、日中の気温が35度前後に達する猛暑の中で熱中症患者が続出。害虫による虫刺されなども相次ぎ、最初の1週間で累計5700人超が手当てを受けた。トイレが清掃されていなかったり、ごみが放置されていたりする衛生面の問題も指摘され、「猛暑への準備が不足し運営も未熟だった」(韓国メディア)と批判が出ている。
 ボーイスカウト日本連盟によると、日本から参加した1568人は、中部・忠清北道丹陽の宿舎に移った。熱中症で手当てを受けた人もいるが、既に回復しているという。 (C)時事通信社