【ベルリン時事】ドイツやフランスなど欧州7カ国の死因データを分析した最新の研究で、平均寿命の男女差が縮小傾向にあることが明らかになった。1990年代半ば時点では女性の方が7年以上長生きだったが、直近の差は5年半未満。60年代以降の女性喫煙者増加など社会や生活習慣の変化で、女性の健康リスクが男性に近づいたことが要因とされる。
 独政府機関の連邦人口研究所が、96~2019年のデンマーク、オーストリアなどを含む諸国の公式統計を詳細に調査。寿命に関し「(男女の)生物学的な違いよりも、生活習慣が与える影響の方が大きい」と結論付けた。
 研究チームのゼバスチャン・クルーゼナー氏は「男性が稼ぎの中心だと見なされているかや、男性と女性のどちらが喫煙や飲酒など健康を損ねる行為を許容されやすいか」といった要素が、男女差を生んでいると解説した。
 調査によると、直近の男女差はスイスのバーゼルや独ミュンヘンといった都市部で3.5年以下だったのに対し、独仏やチェコ、スロバキアの農村部では依然6年以上の開きがあった。研究所は、雇用機会や生活習慣の違い、医療サービスの充実度などが地域差につながっていると分析している。 (C)時事通信社