第三者提供の精子を使った夫婦の不妊治療を巡り、子どもの「出自を知る権利」に配慮した条件での公募に提供者が応じて、国内初の出産に至っていたことが分かった。治療を行った「はらメディカルクリニック」(東京都渋谷区)が15日、取材に対して明らかにした。
 国内では、不妊治療への精子提供は匿名で行われているため、生まれる子が提供者について知る権利が保障されていない。超党派の議員連盟が議論を進めているが、民間の取り組みが先に進んでいることを示した形だ。
 同クリニックによると、治療を受けたのは30代の夫婦で、妻の卵子と第三者提供の精子を体外受精させて子宮に戻した。妻は今月出産した。 (C)時事通信社