ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 (代表取締役社長: キャスパー ブッカ マイルヴァン、本社: 東京都千代田区) は、ノボ ノルディスクがグローバルに展開する「Cities Changing Diabetes※1 (都市に蔓延する糖尿病の克服)」(以下 CCD) の日本で2番目の取り組みとなる旭市 (千葉県) および千葉大学医学部附属病院とのプロジェクトの経過・進捗論文を、「都市計画報告集」 (2024年23巻3号) (
https://www.jstage.jst.go.jp/article/reportscpij/23/3/23_419/_article/-char/ja) に掲載したことをお知らせいたします。
CCD プログラムは、パートナーシップを通じて都市環境における深刻な慢性疾患を予防するための行動を推進する官民パートナーシッププログラムです。ノボ ノルディスク ファーマ、旭市、千葉大学医学部附属病院は、2021年に旭市民の健康増進を図ることを目的として「旭市における糖尿病対策に関する包括連携協定」を締結し、官民学連携で本プログラム (以下「CCD旭」) を推進しています。
旭市においては、肥満 (BMI25以上) の割合が29.2%と全国平均より4.3%高く、糖尿病患者数※2は2016年2,793人 (2014年2,362人) と増加傾向にあることが示されています¹。特定健診の標準的な質問票に因る調査結果からは、同市民の運動習慣の欠落傾向が示されており²、また、2021年に同市で行ったインタビュー調査結果からは、車社会による日常的な運動習慣の欠落や、歩道と街灯の僅少による運動環境の制約などの問題点が浮き彫りとなっています。 さらに、同市における一世帯当たりの自動車の保有台数は1.61台/世帯³と全国平均1.025台/世帯および千葉県平均0.940台/世帯⁴に比して顕著に多いことから、自家用車移動依存による日常の身体活動量の低下の可能性が否めません。
一方、本プロジェクトの対象疾患である糖尿病※3は、血液中のブドウ糖の細胞内への取り込みが減弱しているために生じる病態であり、運動療法・食事療法・薬物療法が治療の3本柱とされていますが⁵、その中でも歩行運動は糖尿病発症リスクを減らすことが数多く報告されています⁶・⁷。つまり、糖尿病および肥満の発症予防のためには、身体活動量を増加させる市民の行動変容が喫緊の課題として挙げられるのです。
「旭市『歩きたくなるまち』project ~糖尿病発症抑制のため市民の行動変容をめざして~」と題した本論文では、このような背景の下、歩く習慣のない市民の行動変容を促すための取り組みである「歩きたくなるまち」プロジェクトを紹介しています。
旭市役所内の多課横断的に結成された糖尿病発症予防および重症化予防プロジェクトチームの一つである「歩きたくなるまち」チームは、 市民の身体活動量を増やす行動変容を目的として、1.ウォーキングルートの設定、2.自作プレートの歩道設置、3.ウォーキングマップの作製、4.健康アプリ導入を実施しています。ウォーキングルートは、現在、4つのコースが設置されており、2024年1月の運用以降、多くの市民に利用されています。今後は、未設置の地区へ新たなコースの設置を検討するとともに、ウォーキングマップの作製を予定しています。健康アプリの導入としては、2024年4月から6月にかけて保険会社と連携の上、スマートフォンアプリを活用したVitality旭CCDウォークを実施し、定員 (200名) を超える参加者 (203名のダウンロード) があり、およそ8割の参加者から運動を意識するようになった旨の回答を得ることができました。
本論文の共著者の一人である千葉大学医学部附属病院次世代医療構想センター特任講師の阿部 幸喜 氏は、次のように述べています。「グローバルに展開する公衆衛生事業の中で、地域に根差して官民学一体として実働しておりますことが皆のプライドです。」
「CCD旭」では、今後ともウォーキングルートの利用を促進し、市民の行動変容による糖尿病罹患者の発生・重症化予防を図り、健康寿命の延伸に寄与してまいります。
※1: 「Cities Changing Diabetes (都市に蔓延する糖尿病の克服)」は、2024年に名称を「まちが元気を創り出す ~Cities for Better Health~」に変更しましたが、旭市と実施している本プロジェクト名は「CCD旭」を維持しています。
※2: 国保データベースを元に本プロジェクトにおいて算出した数 。
※3: 本プロジェクトでは2型糖尿病をターゲットとしています。
「まちが元気を創り出す ~Cities for Better Health~」 (旧称: Cities Changing Diabetes (都市に蔓延する糖尿病の克服)、CCD) について
「まちが元気を創り出す ~Cities for Better Health~」(以下CBH) プログラムは、パートナーシップを通じて都市環境における深刻な慢性疾患を予防するための行動を推進する官民パートナーシッププログラムです。ノボ ノルディスクは、世界50都市以上において、予防に対するパートナーシップを構築し、意義のある行動を推進することを支援しています。この予防への取り組みを通じて、地域における健康格差を解消し、持続可能なヘルスケアシステムを構築することを目的としています。日本においては、2018年から福島県郡山市、2021年から千葉県旭市でCBHを実施しています。
本プログラムは、2024年に名称を「Cities Changing Diabetes (都市に蔓延する糖尿病の克服)」から「まちが元気を創り出す ~Cities for Better Health~」に変更しました。
詳細はウェブサイトをご覧ください。(
https://www.novonordisk.co.jp/sustainable-business/society/citites-changing-diabetes.html)
「CCD旭」について
「CCD旭」では、官民学 (旭市・ノボ ノルディスク ファーマ株式会社・千葉大学医学部附属病院) が連携し独自の地域糖尿病対策プロジェクトを展開しています。
まず始めに定量的、定性的な調査から健康課題を明らかにし、それに基づき糖尿病発症予防、重症化予防の二つの視点でプロジェクトを立案しています。発症予防では、旭市役所職員16名の多課横断チームを結成し、市民への糖尿病に関する健康啓発、行動変容を促すプロジェクトの立案、実行を行っています。重症化予防では、旭匝瑳医師会、旭市歯科医師会、旭匝瑳薬剤師会、旭中央病院をはじめ地域の関係機関を巻き込み、地域の糖尿病重症化予防に関する課題解決や実態調査を行っています。
今後はこの取り組みを旭市の総合戦略に取り入れながら、健康づくり全般の活動として継続していく予定です。
参照資料
1. 旭市 旭市国民健康保険 第三期特定健康診査等実施計画 第2期保健事業実施計画 (データヘルス計画) (平成30年度~平成35年度)
2. 千葉県 令和3年度千葉県国保ヘルスアップ支援事業 特定健診:レセプトデータ等分析結果
3. 旭市 旭市における公共交通の現状 (
https://www.city.asahi.lg.jp/uploaded/attachment/23278.pdf)
4. 自動車検査登録情報協会 (
https://www.airia.or.jp/publish/file/r5c6pv0000013e5h-att/kenbetsu2023.pdf) (2024年10月1日閲覧)
5. 厚生労働省 eヘルスネット 糖尿病を改善するための運動 (
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-005.html) (2024年9月5日閲覧)
6. Kerr D et al. Patterns of Timing and Intensity of Physical Activity and HbA1c Levels in Hispanic/Latino Adults With or at Risk of Type 2 Diabetes.J Diabetes Sci Technol. 2024 Jan;18(1):106-112.
7. Garduno AC, et al. Associations of Daily Steps and Step Intensity With Incident Diabetes in a Prospective Cohort Study of Older Women: The OPACH Study. Diabetes Care. 2022.
ノボ ノルディスクについて
ノボ ノルディスクは、1923年創立のデンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業です。私たちのパーパスは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服することです。その目的達成に向け、科学的革新を見出し、医薬品へのアクセスを拡大するとともに、病気の予防ならびに最終的には根治を目指して取り組んでいます。ノボ ノルディスクは現在80カ国に約72,000 人の社員を擁し、製品は約170カ国で販売されています。日本法人のノボ ノルディスク ファーマ株式会社は1980年に設立されました。詳細はウェブサイトをご覧ください。 (www.novonordisk.co.jp)
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(2024/12/20 11:00)
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