昨日(6月1日)、製薬会社4社がGLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に対し警告する声明を合同で発表した。昨今、2型糖尿病に対してのみ製造販売が承認されているGLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬について、美容やダイエット目的での適応外使用を推奨するかのような広告が散見され、問題となっていた。日本糖尿病学会も4月12日付で「GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解」を改訂し、不適切な処方に警告していた(関連記事:「適応外使用にNO!GLP-1受容体作動薬」)。

不適切処方で思わぬ健康被害も

 声明を出したのは、ノボ ノルディスクファーマ、アストラゼネカ、サノフィ、日本イーライリリー。4社は2型糖尿病のみを効能・効果として承認を取得したGLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬6成分18品目について、「適応外使用の安全性・有効性は確認されていない。医師により2型糖尿病患者の個々の状態を確認した上で、適切に処方・使用されることを目的とした医薬品である」として、健康被害への懸念を示した。

 4社は「使用する患者の安全を確保することが最も重要」として、承認された効能・効果以外での使用を推奨すると受け取れる記事などについては、速やかに規制当局に連絡・相談するとしている。

栗原裕美