子どもがよくかかる夏風邪の一つ、咽頭結膜熱(プール熱)の患者報告数が過去10年で最多となっていることが、国立感染症研究所の調査で27日までに分かった。大阪府と福岡県では警報レベルの目安を超えており、自治体では手洗いやうがいといった感染対策の徹底を求めている。
 プール熱はアデノウイルスによる感染症。潜伏期間は5~7日で、発熱頭痛、倦怠(けんたい)感、結膜炎による目の充血などの症状がよく出るが、ほとんどは自然に治るという。感染経路は飛沫(ひまつ)のほか、タオルの共有による接触感染などもある。子どもがプールでうつることが多いが、プール以外でも感染する。
 感染研によると、全国約3000の小児科定点医療機関から17日までの1週間に報告された患者数は1機関当たり1.45人。過去10年で最多だった前週の約1.15倍となった。
 都道府県別に見ると、福岡(4.65人)と大阪(4.09人)で警報レベルの目安となる「3人」を超えた。京都(2.95人)、奈良(2.88人)、兵庫(2.19人)などでも警報基準に迫っており、流行は関西地方などで目立つ。
 大阪府は流行を受け、ホームページでせっけんによる手洗いやうがい、タオルの共有を避けることを呼び掛けている。感染時には水分補給などを心掛け、症状が消えても約1カ月間は尿や便にウイルスが排出されるとして注意するよう訴えている。 (C)時事通信社