治療・予防

ドライアイの根本治療―IPL
~水の蒸発を防ぐ油の分泌促進(レイ眼科クリニック 松本玲院長)~

 ドライアイは、目の表面を覆っている涙の量や質の異常で起こる。乾きや疲れ、かすみ、まぶしさといった症状だけでなく、肩凝り、頭痛、倦怠(けんたい)感など全身症状も表れる。レイ眼科クリニック(神戸市)の松本玲院長によると、その根本治療として米国で開発されたのがIPL治療で、2016年から日本に導入された。

IPL治療は、セルフケアや点眼で改善しない場合の選択肢(日本ルミナス提供)

 ▽9割が油分不足

 涙は油層、水層、ムチン層の3層から成る。油層は水の蒸発を防ぎ、目の表面に十分な水を保持する役割を果たす。ドライアイの原因は、水分不足と油分不足の2タイプに大別されるが、86%以上が油分不足だ。

 油層はまぶたの裏側にあるマイボーム腺から分泌される油で形成される。マイボーム腺の機能が低下(MGD)し、油の分泌が減ると、油層が形成できず水分が蒸発しドライアイになる。

 MGDのリスクとしては、加齢、パソコンやスマートフォンの長時間使用、コンタクトレンズの装着、喫煙、脂っこい食事の摂取などがある。「過度なアイメーク、まつげのエクステンションが原因のケースも増えています」と松本院長。

 ▽MGDを改善

 ドライアイか否かは、症状と涙の分泌量の測定、角膜染色による傷の観察をして判断する。

 MGDによる油分不足の場合、セルフケア(ホットタオルや温熱マスクで目元を温める、まつげの根元をマッサージ・洗浄する)が基本。マイボーム腺の詰まりを解消し、炎症を抑えることで油の分泌を促す。必要に応じて点眼治療も併用する。2週間~1カ月後に自覚症状が改善しなければ、IPL治療を考慮する。

 IPL治療とは、頬からまぶたの下、鼻にかけて特殊な光を照射し、マイボーム腺を機能回復させる治療法。施術時間は約10分で、3~4週置きに4回以上行うのがよい。IPL後にピンセットでマイボーム腺を圧迫し、古い油(マイバム)を圧出(絞り出す)するとより効果的だ。松本院長らがドライアイ患者115人にIPL治療とマイバム圧出を実施したところ、平均3.92回で77%に自覚症状の改善が見られたという。

 「毎日の洗顔と点眼薬に加え、3~4週置きにIPL治療とマイバム圧出を行って潤いのある目になれば、トラブルはほぼなくなります」。IPL治療は自費診療。金額は施設によって違い、片眼5000円前後で診察・検査料などもかかる。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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