NPO法人「日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク」(JCCN、大阪府吹田市)は1日、大阪・伊丹空港を拠点に、重症患者を医師らが治療しながら高度専門病院へ運ぶ飛行機「ドクタージェット」を1年間試験運用するため、クラウドファンディングを始めた。準備費用として1億円を目標に来年1月29日まで行う。
 ドクタージェットは、北海道では「北海道航空医療ネットワーク研究会」が2010年以降運用しているが、それ以外の地域にはない。JCCNは全国各地での運用を目指し、昨年設立された。
 ヘリコプターで医師らが救急現場に向かったり、患者を運んだりするドクターヘリは各地にあるが、心臓病などの重症患者を治療できる医療機関は全国でも数少なく、遠距離を短時間で運ぶ必要がある。また、体外式補助人工心臓などの大型装置はヘリには載せられない。
 JCCNの福島教偉理事長は心臓血管外科医で、大阪大教授や国立循環器病研究センター移植医療部長を歴任した。東京都内で記者会見し、「搬送対象は小児の患者で、超重症の心臓疾患や消化器疾患、事故の重傷を考えている。小型ジェット機を1年間空港に常駐させると5億~7億円かかると思うが、まず準備費用を集めたい」と説明した。将来は国の予算による継続的な運用を目指すという。
 クラウドファンディングのURLはhttps://readyfor.jp/projects/JCCN―doctor―JET。 (C)時事通信社