【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領は1日、大学医学部の定員増を巡り、国民向けの談話を発表した。尹氏は、2025年度から2000人増やすとする政府案について、「最小限の増員規模だ」と強調し、撤回を求める医師側に譲らぬ姿勢を示した。10日に総選挙が迫る中、強行突破を図ろうとする尹政権の対応が選挙の動向に影響を及ぼす可能性がある。
 尹氏は、増員案の発表前から、医師側との議論を重ねてきたと説明。研修医らの職場放棄などで反対を続ける医師らに対し、「集団行動ではなく、科学的根拠を持った案を政府に示さなければならない。合理的な案を示せばいくらでも議論できる」と主張した。
 尹氏は一時、医師側と対話する姿勢を見せたものの、2000人増を譲らぬ政府と、案の撤回を求める医師側との意見対立の溝は埋まらず、平行線をたどっている。当初、世論は政府案を支持する声が多数だったが、長引く対立に政府批判が高まりつつある。 (C)時事通信社