食品・飲料 流通

黄えんどう豆パスタを食べると、老化や生活習慣病につながる酸化ストレスを改善できることが明らかに

株式会社Mizkan Holdings
ヒトを対象とした臨床研究で初めて実証

株式会社ZENB JAPAN(ゼンブ ジャパン)(愛知県半田市、以下ZENB)および株式会社Mizkan Holdings中央研究所(愛知県半田市、以下ミツカン中央研究所)は、同志社大学生命医科学部の米井嘉一教授による監修のもと、黄えんどう豆をうす皮までまるごと使ったパスタ(Yellow Pea Pasta: YPP、以下 「黄えんどう豆パスタ」)の摂取がヒトの酸化ストレスを改善することを臨床試験で初めて明らかにしました。酸化ストレスとは、活性酸素による細胞ダメージのことで、健康や老化、生活習慣病などに深く関わる重要な要因とされています。本研究の結果、「黄えんどう豆パスタ」を1日1食摂取することで酸化ストレスが有意に改善されることが確認され、健康維持をサポートする機能性主食としての可能性が示されました。

概要
20~65歳の健常な成人を対象に、1日1食「黄えんどう豆パスタ」を摂取した群と、通常の食生活を維持した対象群を比較し、酸化ストレスに関連する以下のような指標の改善が見られました。

- DNAのダメージを示す指標である8-OHdGが有意に低下した。
- 脂質の酸化の程度を示す指標であるLPOが有意に低下した。
- 体内の抗酸化力と酸化ストレス状態のバランスを示す指標であるBAP/d-ROMが有意に増加した。


上記3点を踏まえ、1日1食「黄えんどう豆パスタ」を摂取することで、ヒトの酸化ストレスを改善することが示されました。

米井嘉一教授コメント
本研究では、対照と比較して8-OHdG 、LPOの有意な減少を認め、酸化ストレス指標が改善しました。黄えんどう豆パスタ摂取によって塩分摂取量が減った結果、RAS活性が軽減し、下流のNADPHオキシダーゼ起因性ROS産生が減少に転じた可能性が考えられます。黄えんどう豆に含まれる機能性成分が塩味感受性に及ぼす作用機序については、今後の更なる検証が期待されます。


米井嘉一教授
<米井嘉一教授プロフィール>
抗加齢(アンチエイジング)医学を日本に紹介した第一人者として、2005年に日本初の抗加齢医学の研究講座である、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。老化度判定ドック(アンチエイジングドック)における老化マーカーの開発と治療ガイドラインの作成に従事。2008年同志社大学生命医科学部教授に就任すると共にアンチエイジングリサーチセンター教授も兼任。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。



研究の背景
ZENBとミツカン中央研究所は、「人と社会と地球の健康」を実現するため、食品の機能性研究に注力しています。本研究では、この一環として、スーパーフードとして注目される黄えんどう豆の機能性に着目しました。
えんどう豆は、たんぱく質やミネラルを多く含む栄養豊富な食品であり、特にうす皮に含まれるポリフェノールは抗酸化作用※1を持つことで注目されています。しかし、これまでの研究は試験管内や動物実験が中心で、ヒトにおける機能性の評価は十分に進んでいませんでした。
本研究では、「黄えんどう豆パスタ」を1日1食摂取することが日常生活の中でヒトの酸化ストレス※2にどのように寄与するかを評価し、さらにこれまで可能性が示唆されていた塩分摂取量や血糖値へのヒトへの影響についても検討しました。

※1 抗酸化作用とは、体内で発生する「活性酸素」を無害化し、細胞や組織を酸化によるダメージから守る働きを指します。私たちの体には日常的に呼吸やストレス、紫外線などにより活性酸素が発生していますが、これが過剰になると細胞が酸化し、病気や老化の原因となります。抗酸化作用を持つ成分はこれらが活性酸素の発生を抑えたり除去したりすることで、健康を維持するサポートをしています。

※2 酸化ストレスとは、体内で発生する「活性酸素」によって細胞や組織がダメージを受ける状態を指します。この酸化ストレスは、動脈硬化や心血管疾患などの生活習慣病の要因になるだけでなく、疲労感や睡眠の質、肌の老化などにも関与し、QOL(生活の質)に大きな影響を与えることがわかっています。そのため、酸化ストレスを適切に管理することは、健康維持とともに日々の活力を維持する観点からも重要視されています。

研究内容
実施時期
2021年10~12月
被験者
20~65歳の健常な成人40名(日本の食事摂取基準の目標値を上回る塩分摂取者)
研究方法
「黄えんどう豆パスタ」摂取群と対象群に無作為に振り分け、4週間にわたって実施しました。
「黄えんどう豆パスタ」摂取群は1日1回、1食分の「黄えんどう豆パスタ」80g(乾麺時)を摂取し、対照群は通常の食生活を維持しました。本研究では、血中酸化ストレス指標を主な評価項目として測定しました。また、関連データとして塩分摂取量および血糖値についても測定を行いました。

*本研究成果は、2023年12月10日から13日にかけて開催された第15回International Conference and Exhibition on Nutraceuticals and Functional Foods(ISNFF)、および2024年5月24日から26日にかけて開催された第78回日本栄養・食糧学会大会にて発表しました。また。2024年10月7日に、「Scientific Reports」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41598-024-72290-6

研究結果
「黄えんどう豆パスタ」を4週間摂取したグループでは、通常の食生活を維持したグループと比較して、いくつかの酸化ストレス指標において有意な改善が確認されました。また、血糖値に関して顕著な変化は見られなかったものの、試験終了時点では黄えんどう豆パスタを摂取したグループで尿から類推した塩分摂取量の低下がみられました。

●8-OHdG:活性酸素種(ROS)によるDNA損傷の際に生成される物質。体内に蓄積すると、老化の進行や発がんリスクの増加と関連があるとされています。
●LPO:脂質がROSによって酸化されることで生成される物質の総称。皮膚に紫外線が当たることで生成され、シミやシワの原因になると考えられています。
●BAP/d-ROM:体内の抗酸化力と酸化ストレスの状態を評価する指標。数値が高いほど、体内の酸化バランスが良好であると考えられます。



本研究の結果から、「黄えんどう豆パスタ」の摂取が、酸化ストレスの低減に寄与する可能性がヒトを対象とした試験で初めて示されました。
特に、本研究で改善が認められたLPOやBAP/d-ROMsは、体内の酸化ストレス状態を示す重要な指標であり、これらの改善は健康的な体調維持に寄与する可能性が示唆されます。
今回の研究結果は、「黄えんどう豆パスタ」を日常の食事に取り入れることで、より健やかで快適な生活をサポートする新たな選択肢となる可能性を示しています。

今後の展望
今回の研究結果をもとに、「黄えんどう豆パスタ」を取り入れた食生活が酸化ストレスの軽減にどのように寄与するか、また生活習慣病予防やQOL向上の観点からも更なる応用研究を進めていく予定です。「黄えんどう豆パスタ」は、おいしく、食べ続けることで健康になる「新しい主食」として、社会的な注目を集めることが期待されます。

出典情報
論文
タイトル:Yellow pea-based pasta's impacts on the salt intake, glycemic parameters and oxidative stress in healthy individuals: a randomized clinical trial
著者:Mamoru Ito, Joto Yoshimoto, Sho Ishii, Tetsuya Maeda, Yu Wada, Yoshikazu Yonei, Mikiya Kishi, Takahiro Ono
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/s41598-024-72290-6

参考文献
Wu, D.-T. et al. A comprehensive review of pea (Pisum sativum L.): Chemical composition, processing, health benefits, and food applications. Foods 12, 2527 (2023).
Yoshimoto, J. et al. Palatable noodles as a functional staple food made exclusively from yellow peas suppressed rapid postprandial glucose increase. Nutrients 12, 1839 (2020).
Tsuchiya, Y. et al. Yellow pea pasta enhances the saltiness and suppression of postprandial blood glucose elevation. Nutrients 15, 283 (2023).
Masamitsu, I. et al. Photoaging of the skin. Anti-Aging Medecine 6(6), 46-59 (2009).

ZENBとは






植物を可能な限りまるごと使った食で、おいしくてカラダにいい、人と社会と地球の健康に貢献する、未来に向けたウェルビーイングな食生活を提案するブランドです。野菜や豆、穀物といった植物のおいしさと栄養を、可能な限りぜんぶ閉じ込めました。動物性原料や可能な限り添加物を使用せず、素材そのもののおいしさを活かしています。小麦や米よりもヘルシーで地球にもやさしい黄えんどう豆を使った「ZENBヌードル」「ZENBブレッド」「ZENBチップス」や、普段食べずに捨ててしまう芯や皮まで、まるごと野菜を使った「ZENBカレー」「ZENBスープ」「ZENBスティック」などを販売しています。
・公式サイト:https://zenb.jp
・Instagram:https://www.instagram.com/zenb_japan/
・X:https://x.com/Zenb_jp
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMESまでご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

関連記事(PRTIMES)