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◇レム睡眠行動障害とは
震えや歩きにくさ、バランスの取りづらさなどのパーキンソン病の症状は、脳の黒質にあるドーパミン細胞という神経細胞が障害を受けて起きる。発症した時点でドーパミン細胞はすでに6~7割に減少しているため、症状の進行を食い止めるには、早い段階で対応する必要があり、発症する恐れのある人をいかに探すかという研究が精力的に行われている。
「その中で、レム睡眠行動障害(RBD)の患者は、パーキンソン病やその関連の病気を発症する確率が他の人よりも高いということが分かってきました」と村田院長。
レム睡眠は、体は眠っているが、脳は活発に動いている浅い眠りの状態で、全身の筋肉の緊張が緩んでいて力が全く入らない、いわば金縛りの状態にある。RBDは、レム睡眠中の筋緊張を抑制する神経の働きが低下することで起こる。例えば、激しい寝言や叫び声を上げたり、殴ったり蹴ったり、たんすや柱にぶつかってけがをしたりするなど、夢の内容と一致した行動を取る。
RBDの診断後10年で75%、14年で90%がパーキンソン病などを発症するという報告がある一方で、全く発症しない人もいる。近年、ドーパミン細胞の障害が始まっているかどうかは、「ドーパミントランスポータースペクト(DAT SPECT)」という画像検査によって分かるようになってきた。「これが、数年以内にパーキンソン病が発症するか否かを見極める大きな手だてになります」という。
◇薬剤開発に役立てる
このスペクト検査とともに診察や採血などを行いながら、RBD患者の経過を観察することで、パーキンソン病が発症する直前の変化や、発症する人としない人の違いを発見できる可能性があり、こうした研究が内外で進んでいるという。
「発症する前段階の変化を見つけることは、開発中の予防薬の評価や発症させない薬、あるいは発症した人の薬の開発にも役立つはずです」と、村田院長は期待を寄せている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/04/30 10:20)
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