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子どもの生活習慣の乱れは心身の不調や学習能力の低下を招き、将来の病気のリスクを高めるなどさまざまな弊害をもたらす。子どもの発達の専門家である国立青少年教育振興機構(東京都渋谷区)の鈴木みゆき理事長は、最も重要なのは「十分な睡眠と規則正しい食事」と強調する。
▽睡眠短い日本人
必要な睡眠時間には個人差があるが、6~13歳であれば9~11時間が一つの目安。睡眠不足が続くと、いらいらや落ち込み、注意力低下が生じ、肥満、生理不順、生活習慣病などのリスクも高まる。
鈴木理事長は「朝、子どもが自分で起きてくるときは機嫌がよいもの。毎朝親が起こしているようなら睡眠時間が足りないのかもしれません」と指摘する。
人間は昼行性の動物。朝の光とともに目覚め、夜はメラトニンというホルモンが分泌されて自然に眠りに就く。しかし、夜にスマートフォンなどのブルーライトを浴びると脳が昼間と勘違いし、メラトニンの分泌が遅れて深い睡眠の時間が減るともいわれる。
▽できることから始める
人間は起床後に体温が上がり活動を始めるが、夕食で取ったエネルギーは就寝中に使われてしまう。このため、体温上昇や活動に必要なエネルギーは朝食で補わねばならない。エネルギー源の確保が目的なので手のかからないものでもよい。
また、何時に寝るか、ゲームは何時まで遊んでよいかなど、家庭ごとの状況に合わせたルールをつくるのも効果的だ。
生活環境が多様化し、子どもを家庭内だけで育てるのは難しい。鈴木理事長は「親や兄弟、教師などとの『縦の関係』、友達との『横の関係』、地域との『斜めの関係』を築いて子どもが規則正しい生活を送れるよう社会全体で支えていくことが大切ではないでしょうか」と持論を語った。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/08/17 10:00)
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