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啓発ポスターを持つ白坂琢磨エイズ予防財理事長(右)と蒼井そらさん=都内(時事)
12月1日の世界エイズデーに向けてエイズ予防財団は29日、都内で記者会見した。白坂琢磨理事長は「『エイズでは今は死にません』と言えるようになった」と治療の進歩を強調。ただ、検査を受ける人が増えていないのが実情で、啓発活動に協力している女優の蒼井そらさんは「検査がもっと簡単になるか、健康診断などと一緒にできないか、考えてもらいたい」などと訴えた。
エイズ治療の現状について白坂理事長は「1日1回の服用で大きな副作用も少なくウイルスの活動を抑制でき、発病に至らない患者も多い」と強調した。
しかし、感染の有無を調べる検査を受けた人数は2011年をピークに伸び悩んでいる。同理事長は「感染が早期に分かって治療を始めるほど、予後は良くなる」と指摘した。また、蒼井さんは「検査のことを話すと、面倒だ、怖いという人もいる。正しい最新の情報が必要な人に伝わってほしい」と語った。
エイズの啓発活動に協力する女優の蒼井そらさん=都内(時事)
◇HIVとエイズ
体液などを介して「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」に感染し、適切な治療を受けずに放置した場合に生じるのが「エイズ」。HIV感染だけではほとんど自覚症状はないが、性交渉などで他者に感染させてしまう。
1980年代当初は有効な治療法がなく、世界各地で多くの死者をだした。近年は、HIV感染直後に発見して治療を開始すれば、日常生活を送る患者も多い。2016年末時点で日本の新規HIV感染者とAIDS患者は累計で2万7千人を突破。世界でのHIV感染者は3670万人、年間100万人がエイズで死亡している。(時事メディカル)
(2018/11/29 12:08)
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