胆道の病気の検査法

 胆道の病気の検査法は、大きく分けて検体検査(血液や尿を調べる検査)と画像検査があります。

■検体検査(血液検査、尿検査など)
 胆道系酵素と呼ばれるアルカリホスファターゼ(ALP)、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTまたはγ-GTP)、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)が、胆汁の流れがわるくなると血液検査で高値を示します。このなかで、ALPは骨の病気、γ-GTはアルコール性肝障害など肝臓の病気でも高くなります。黄疸(おうだん)になると、血清および尿中のビリルビン値、特に血清直接ビリルビン値が高くなります。
 胆嚢(たんのう)炎や胆管炎など炎症のある病気では、白血球数やCRP値が血液検査で高値を示します。胆嚢がんや胆管がんなどの悪性腫瘍では、CEA、CA19-9などの血液中の腫瘍マーカーが高くなることがあります。

■画像検査
 画像検査は、からだに対する影響の小さなものからおこなうことが基本です。胆道系の画像検査としては、まず超音波(エコー)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像法)検査などがおこなわれます。

□超音波(エコー)検査
 超音波をからだに当てて、その反射波で内部構造を映像化して診断する方法です。特にからだへの影響はありませんが、超音波の画像を見ながら、腹部に針を刺して、組織を採取したり、管を入れたりすることがあり、その際は出血などの危険があります。空気があると、超音波が反射されないので、空気が入っている臓器(肺、胃腸など)の診断には、あまり用いられません。

□CT(コンピュータ断層撮影)検査
 X線を用いて、輪切り、縦切りなどの断層像を作成する検査です。最近は、ヘリカルCT、多検出器CTなどが臨床応用されて、空間解像度が向上し、数mmの小さな病変も描出できることがあります。ヨード系造影剤を使用することで、正常臓器と病変の区別が明瞭になります。からだへの影響として、X線による被ばく、造影剤を使用する際のアレルギー反応などがあります。

□MRI(磁気共鳴画像法)検査
 磁気共鳴現象を利用して、CT検査と同様にからだの断層像を作成する検査です。X線を使用しないので、からだへの影響はあまりありませんが、検査には少し長めの時間(5~20分程度)がかかります。空間解像度はCT検査と比較するとやや落ちますが、胆嚢・胆管の走行を描出するMRCP検査では、胆道の様子を詳細にみることができます。

 上記の検査で何らかの異常があり、精査が必要と判断された場合には、以下の検査が精密検査としておこなわれることがあります。

□ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)検査
 口から内視鏡を挿入し、その先端から出る細いチューブを胆管の出口(十二指腸乳頭部)に挿入して、胆管に造影剤を注入することにより、胆管や胆嚢の形態を精査します。膵管(膵臓から消化液を消化管に流す通り道)も同じ部分に出口があるので、膵臓の病変も診断することができます。最近は簡便におこなえるMRCP検査などで代用されることが多く、胆管に狭窄(きょうさく)・閉塞がある際にプラスチックチューブやメタリックステント(金属の網目状になったチューブ)を挿入するような治療目的に限定しておこなわれることが一般的になってきました。

□PTC(経皮経肝胆管造影)検査
 超音波検査で肝臓を見ながら、腹部から直接針を刺して、胆管に造影剤を注入し、胆管や胆嚢の形態を精査します。ERCPがおこなえない場合の治療目的に実施されることが一般的です。

□内視鏡超音波(EUS)検査、管腔内超音波(IDUS)検査
 口から内視鏡を挿入し、その先端に付いている超音波探触子(プローブ)を用いて胃もしくは十二指腸から胆道を精査する検査です。管腔内超音波検査は、内視鏡の先端から細い超音波探触子を出して、胆管に挿入して精査する検査です。

(執筆・監修:自治医科大学外科学講座 主任教授〔消化器外科学〕 佐田 尚宏