妊娠期の甲状腺機能亢進症〔にんしんきのこうじょうせんきのうこうしんしょう〕
妊娠初期には、甲状腺刺激ホルモン(TSH)と類似した作用をもつ胎盤性ゴナドトロピン(hCG)が胎盤から多量に分泌されます。多量になると、母親の甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンが過剰につくり出されます。つわりのひどい妊婦に多く、脈拍の増加や動悸(どうき)など、甲状腺機能亢進症状を呈します。妊娠の経過とともに軽快しますが、症状のひどい場合には無機ヨード薬などで治療することがあります。
(執筆・監修:東京女子医科大学 常務理事/名誉教授 肥塚 直美)
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