亜急性甲状腺炎〔あきゅうせいこうじょうせんえん〕

 甲状腺にウイルスが感染することによって起こります。発熱、寝汗が続き、強い倦怠(けんたい)感があります。同時に、甲状腺に強い自発痛や圧痛があり、痛みがあごや耳のほうにひろがる傾向があります。甲状腺に痛みを伴う硬結があり、これが数日で移動します。
 炎症により甲状腺組織が破壊されると、甲状腺ホルモンが血液中に流れ出し、血液中の甲状腺ホルモン濃度が増加して機能亢進(こうしん)症状も出ます。発熱やのどの痛みで、かぜや扁桃(へんとう)炎と誤診されることが多い病気です。

[診断]
 症状と血沈(けっちん)の亢進など炎症所見があること、血液中の甲状腺ホルモン濃度が高いこと、超音波(エコー)検査で特徴的な所見のあることなどから容易です。この病気では甲状腺の機能が亢進しているわけではないので、甲状腺機能亢進症と呼ぶのは不適当で、甲状腺ホルモンの過剰による中毒症、すなわち甲状腺中毒症のほうが適切です。

[治療]
 アスピリンなどの抗炎症薬も使用されますが、副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロンなど)を服用すると翌日には解熱し、甲状腺の痛みも軽減します。
 通常1~2カ月の治療で完治しますが、副腎皮質ステロイド薬量をあまり早く減らしたり中止すると再燃(症状がおさまっていた病気が再び悪化したり、発症すること)することがあります。抗菌薬は効きません。甲状腺機能亢進症に対しては抗甲状腺薬は無効で、β(ベータ)遮断薬を使用して症状の軽減をはかります。
 血液中の甲状腺ホルモン濃度は急性期には高くなり、炎症がよくなると低下し始め、いったんは正常よりも低くなりその後に正常域に戻るのがふつうです。
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