乳房の豊胸術

 現在では、シリコン製インプラントを用いた豊胸術が代表的な手術法となっています。わきの下や乳輪の周囲を切開して、インプラントを挿入します。術後の合併症として、感染やインプラントの破損などのほかに、インプラントの周囲がかたく収縮することがあります。また2019年に、一部のインプラント製品に関連するまれな合併症として、悪性腫瘍(乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫)の危険性が指摘されました。現在は、悪性腫瘍の危険性が少ないインプラントが認可され、使用されています。
 ヒアルロン酸や脂肪の注入療法などがおこなわれることもありますが、術後の吸収や乳房の硬化などの合併症が起こりやすいといわれています(その他の自家組織移植人工材料)。

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)
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