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髪のダメージやスタイリングのしやすさ「応力緩和」を測定 デジタル化、精度向上 44年ぶりにリニューアル

カトーテック株式会社
春ごろに感じる髪の毛の不調※1、パサつきや切れやすさなど髪の状態を測定

カトーテック株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役:加藤敦子)は、4 月1日(月)よりデジタル化を実現したKES-TSSH引張り破断試験機を本格的に販売開始いたします。カトーテックが製造販売するKES(R)シリーズでは初のPCからの制御を実現した試験機です。前身となるKES-G1SH引張り破断試験機を製品開発から44年ぶりにリニューアルしました。


KES-TSSH 引張り破断試験機

水中で実際にシャンプーやトリートメントを使用時の毛髪の状態を測定

リニューアル内容 概要

1.電子アンプ機能を試験機に内蔵し全てPCからの制御に。デジタル化により使いやすく測定条件の設定ミスをなくします。

2.トルク管理ができる新しいチャックにより測定条件の統一化ができるため、測定の再現性が高くなり精度が向上しました。

3.“毛髪のスタイリングのしやすさに関係する” ※2とされている「応力緩和※3」や「引張特性」の測定が100回連続で行うことが可能に。ゴムや糸など伸長するサンプルを連続測定することで、最初の数値から最終どのくらいの数値になり変化(伸び率や回復性など)が起こったのかを評価できます。

※1 2023年3月13日配信:健康毛でも乾燥には要注意!春の髪悩み1位は髪のパサつき 水分量が低下した髪や頭皮の状態と季節に合わせたヘアケアを | ホーユー株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
※2 2022年1月31日配信:くせ・うねり毛を伸ばしやすい素直な髪に! | 花王株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)


KES-TSSH引張り破断試験機は毛髪の「引張特性・破断特性・応力緩和特性」※4の3つの特性を計測できる試験機です。毛髪や糸1本から測定できる感度の高いセンサーが搭載されており、水中にサンプルを入れた状態での測定が可能なため、シャンプーやトリートメント前後の毛髪の状態を測定するなど、主にヘアケアの製品研究開発での活用が期待されます。
※3、4測定評価については、本文3ページ目に記載

試験機の開発背景 1.ヘアケア市場の拡大

年々ヘアケア市場の規模が拡大しています※5。消費者の外出機会が徐々に増え、おうち美容の一環としてインバストリートメントやアウトバストリートメントなどのスペシャルケア製品が市場では多く出回っています。ヘアケア製品が飽和状態のなか、中~高価格帯の商品が市場を牽引しており、目新しさや付加価値の高い製品が求められています。また調査では、約7割の方が春頃に髪の毛の不調を感じており、2人に1人がパサつきに悩んでいると分かっています※1。
カトーテックにおいても、毛髪のはり感、こし感を評価・数値化する試験機への問合せが近年増えています。ヘアケア市場において、多くの研究開発部門にて試験機をご使用いただいておりますが、リニューアル前のKES-G1SH引張り破断試験機では、経年劣化や測定頻度が増すことでサンプルを掴むチャックの緩みが懸念され、お客様から改良を希望する声が挙がっていました。今回の製品開発では、実際に試験機を利用いただいている化粧品メーカーやヘアケアの原料を取り扱うメーカーなど、複数社の意見を取り入れ改良を行いました。

※5 株式会社矢野経済研究所調べ ヘアケア市場に関する調査を実施(2023年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 (yano.co.jp)


試験機の開発背景 2.新しい繊維の開発

世界的な環境に対する意識の高まりにより、再生繊維の開発や自動車をはじめとする様々な産業において高性能繊維の開発が進んでいます。2022年に経済産業省が示した繊維技術ロードマップにおいても、重点的に取り組むべき技術開発において、スマートテキスタイルや物性データ等をデータベース化し風合いや心地よさのシミュレーション手法の開発、繊維to繊維リサイクル技術についてあげられ、繊維技術への研究開発投資を促進しています。
KES(R)は1972年に“布の風合い”を計測するために開発された試験機です。繊維業界の風合い測定において他にない試験機として地位を確立し、多くの繊維や布の研究者の間で活用いただいています。糸1本の測定については、糸の表面処理や柔軟剤処理後の特性などを評価するために使用されています。近年では、多様な化学繊維の開発も進み、新しい糸のサンプリング依頼も増えています。


(写真左から)1.上下のチャックでサンプルを固定。上チャックでトルク調整を行います。2.ウェットティッシュ 3.輪ゴム 4.釣り糸

リニューアル詳細

電子アンプを内蔵しデジタル化。よりコンパクトに見た目もスタイリッシュに
電子アンプの懸念点として、測定条件の設定に時間がかかることや電子アンプとPC両方で条件の設定が必要なため、調整ミスの可能性があることが挙げられます。特に今回の引張り破断試験機では、電子アンプの測定条件設定の項目が多く、設定の簡易化を希望する声や「電子アンプの調整はKES(R)未経験者では難しい」との声も挙がっていました。
KES-TSSH引張り破断試験機は、測定結果を波形で示すため、測定数値とともにデータをPCに保存できるよう全てPC制御にリニューアルしました。電子アンプがなくなったため、よりコンパクトに見た目もスタイリッシュになりました。


サンプルの固定チャックを変更。再現性が高まり精度が向上
トルクレンチを使用しトルク管理できるチャックに変更しました。サンプルを「どのくらいの力で締め付けて固定しているのか」を確認できるようになったため、サンプルが複数ある場合や測定が数日にわたる場合でも測定条件を統一化でき、測定の再現性が高まり精度が向上しました。サンプルをチャックに固定する力を調整できるため、多様な毛髪の質や径、サンプルに応じてトルクを設定し測定することが可能です※6。
(※6例:柔らかくて切れやすい毛髪を測定する場合、毛髪を固定する力によっては毛髪を損傷させてしまう場合があります。そのような現象を防ぐため、チャックに毛髪を装着する際、毛髪を固定する力の調整が必要です)


「応力緩和」「引張特性」の繰り返し100回測定可能に
リニューアル前の試験機では1回のみの測定でしたが、今回新たに100回連続測定ができるようにソフトを改良しました。


測定内容

ダメージを受けた毛髪の引張り強度、シャンプー前後の毛髪の伸び率など様々な目的に応用できます。



測定データ例(応力緩和特性)


例:応力緩和特性。50gで力を設定し30秒間保持した場合、16.88gの力が減少していることが分かります。

製品概要

【製品名】KES-TSSH引張り破断試験機
【発売日】 2024年4月1日(月)から全国発売


カトーテック株式会社について

カトーテック株式会社は、ものの触り心地を数値化する試験機を製造販売。1962年に鉄工所として創業し、高い精密加工技術を聞きつけた京都大学の川端教授の問い合わせがきっかけで、風合い試験機KES(R)を製造販売することに。現在では風合い試験機KES(R)を中心とした様々な試験機を世界50か国以上で展開し、繊維、製紙、化粧品、自動車メーカーなどあらゆる業界でご利用いただいています。

会社概要

社名:カトーテック株式会社
本社所在地:京都市南区西九条唐戸町26番地
代表取締役:加藤 敦子
事業内容: 1. 電子計測装置 2. 高分子材料関連機器 3. 各種製造装置 4. 大型特殊機械
設立:1961年9月1日

※「KES」「KAWABATA EVALUATION SYSTEM」は、カトーテック株式会社の登録商標です。
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